声優・堀川りょう、ベジータは自分の一部!コミカルな姿も成長の証
人気アニメ「ドラゴンボール」シリーズで、悟空のライバル・ベジータの声を担当する声優の堀川りょうが、新作映画『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』(全国公開中)の公開を前に、ベジータの成長について語った。
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かつて劇場版に登場した“伝説の超サイヤ人”ブロリーと、悟空・ベジータの激突を描く本作。劇中では、3人のサイヤ人それぞれの運命が幼少期から描かれており、堀川は「ナッパも出てきたし、ベジータ王もいて、懐かしいなぁと感じていましたね。ナッパには、後でかわいそうなことをしてしまうんですけど」と笑みを浮かべる。
“サイヤ人の王子”として常に気高く生きるベジータだが、2013年に公開された劇場版『DRAGON BALL Z 神と神』(2013)で破壊神ビルスをなだめるために見せた、イメージを覆すコミカルなシーンはファンに衝撃を与えた。堀川も「『楽しいビンゴ!』とか言って踊ってね。自分でも、やっていいんだ、俺? と思いました(笑)。それまでシリアスな路線で通してきましたからね。ただ、それはベジータが人として成長していっている証なのかなと思っています」と振り返る。
確かに、一見“キャラ崩壊”ともとれるベジータの行動は、妻のブルマと息子トランクスを守るための行動だ。「ベジータは、ずっと自分のためにしか戦ってこなかった男。それが家族を持ち、それを自分を犠牲にしてでも守るんだとなった結果の行動ですから。僕がシリーズで一番好きなシーンも、(『魔人ブウ』編で)トランクスに、『ブルマを、ママを大事にしろよ』って抱きしめるシーンなんです」
「強くなるということは、人の痛みを知るということだと思っています。こうすると人は傷つくんだとわかったうえで戦うのでは、全然違ってくる。そういう意味では、むしろベジータはどんどん強くなっていっていると感じています」
本作でも、ベジータがブルマのために、プライドを捨てるシーンが登場。2017年に急逝した、鶴ひろみさんの後を継いでブルマ役を務める久川綾との息もピッタリだ。「久川ちゃんも、昔から知っている仲ですからね。鶴に負けないブルマを作ってくれると信じています」
そう語る堀川にとって、ベジータはもはや自分の一部。「アニメのキャラクターとは全く思っていない」といい「自分の内面から取ってきたものに、声を入れているだけです。残虐なことも実際にやったら捕まりますけど、この仕事だと称賛されたりしますよね。そうして自分の人生を生きながら、他の人生も生きられるっていうのは、とってもぜいたくなことだと思っています」と語る。
何十年と付き合ってきた、悟空役の野沢雅子をはじめとする「ドラゴンボール」メンバーも、もはや家族だ。「割と家族みたいなところはあるかもしれないですね。楽しいんですよ。収録を終えたらみんなでご飯行こうって。それがもう何十年も続いています。収録も、午後4時ぐらいに始まって7時半ぐらいに終わるから、ご飯に行くしかないよねって時間。きっとみんながコミュニケーションを取れるように、配慮をしてくださってるんでしょうね。そこで、来週もいい仕事をしような! って飲んで食べて別れるんです」と笑顔。映画は20作目を迎えたが、「また、いつでもやってほしいですし、いつ呼ばれてもすっとベジータで行けるように準備しています」と続編への意欲を見せた。(編集部・入倉功一)