ディーン・フジオカ、井浦新の鬼気迫る演技に感嘆
俳優のディーン・フジオカと井浦新が25日、フジテレビ開局60周年特別ドラマ「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」の完成披露試写会&制作発表会に出席した。この日、撮影を振り返りながらディーンは、ともに主演を務める井浦の迫真の演技に称賛の言葉を送った。制作発表会には、共演者の山本美月、吉沢亮、香里奈、奥田瑛二も登壇した。
ヴィクトル・ユゴーの不朽の名作を、平成30年間の日本を舞台に置き換えた本ドラマ。宿命的に対峙することとなる2人の壮絶な人生を通して、平成という激動の時代のさまざまな社会的事象を映しながら、人々の心情が描かれていく。ディーンは過去に犯した罪のために名前を馬場潤から渡辺拓海に変え、別人に成り代わって弁護士として生きる男を、そして井浦はその事件の被害者遺族で彼を生涯追い続ける刑事・斎藤涼介を演じる。
平成最後の冬に送る本作は、まさに“平成”が凝縮された物語。2人にとって「平成とは?」という問いに対して、ディーンは「僕は平成が始まって日本を離れ、途中から戻ってきて平成の終わりを迎える。とても変化の大きな過渡期のような時代」と印象を述べる。一方の井浦は10代半ばから40代を過ごしたが「学生(時代)を経て、何者かになろうともがいてきた30年でした。でも今も、結局はもがき続けている。新しい元号になってももがき続けるのかなと思います」と語った。
劇中では、弁護士役のディーンと刑事役の井浦の若き日をそれぞれ吉沢と清水尋也が演じているが、ディーンはこの日、自身の青年時代を演じた吉沢と初対面を果たしたという。ただ、クランクインする前に吉沢がどんな演技をしているのか、先に撮影した吉沢のラフ映像をしっかりと観てから撮影に臨んだそうで「吉沢くんとは初めましてでしたが、そんな気がしないぐらい親近感がある。他人じゃないみたい」と感想を口にした。
熱い思いを口にしたディーンに負けじと井浦も「僕は(若かりし頃を演じた清水とは)チーム斎藤涼介ということで“渡辺くん”の芝居はちゃんと見に行きましたし、バトン授与式も行いました。そこで抱擁もしました」と胸を張る。しかし、すぐに吉沢から、清水の名前を“渡辺”と間違えていたことを指摘されると、井浦は「やばいね……」と苦笑い。会場は大きな笑いに包まれた。
落ちがついてしまったが、井浦の本作にかける思いにはディーンも感嘆していたようで「現場で新さんの芝居を見させてもらいましたが、こちらが心配になるぐらい鬼気迫る演技をされていた」と撮影を振り返ると、井浦も「この作品に右腕一本捧げてもいいかなと思うぐらいだった」と心情を吐露した。続けて井浦が「(観たことを)絶対後悔させない自信がある」と強い口調で語ると、ディーンも「名作を次の時代につないでいくという気概が伝われば」と熱い思いを口にしていた。(磯部正和)
フジテレビ開局60周年特別企画「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」は2019年1月6日夜9時~放送