『バンブルビー』主演ヘイリー・スタインフェルド、撮影を振り返る
映画『トゥルー・グリット』『スウィート17モンスター』などの注目の若手女優ヘイリー・スタインフェルドが、話題の主演作『バンブルビー』(2019年3月22日 日本公開)について、12月18日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
本作は『トランスフォーマー』シリーズに登場するキャラクター、バンブルビーにスポットを当てたスピンオフ作品。1987年のカリフォルニア、18歳の少女チャーリー(ヘイリー)は居場所がなく、孤独な毎日を過ごしていたある日、小さな廃品置き場で1台の古びた黄色い車を見つける。彼女は、この車をバンブルビーと名付けて修理しようとするが、突如ロボットに変形したバンブルビーに戸惑ったのもつかの間、このロボットの行方を追う政府機関「セクター7」に追われることになる。映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のトラヴィス・ナイト監督がメガホンを取った。
『トランスフォーマー』シリーズの中でもベストな作品と評価されている本作。それはヘイリー演じるチャーリーとバンブルビーの関係にある。「脚本を読んだ時点で、目の前に存在しない相手に話しかけることは、チャレンジになることだと把握はしていたの。でも、チャーリーとバンブルビーの関係がリアルに記されていたから、不合理な設定ではなかったわ。ただ、いざセットでポール(棒状のもの)に付けられたテニスボールの前に立ったときは、これから4か月くらい、この状態で過ごすの? と心配になったわ。だって、何が正しいかわからなかったんだもの。でも幸い、ナイト監督が全ての過程、全ての瞬間に側にいてくれたから、何とか全てをやり遂げられたわ」ナイト監督は、ほとんどのシークエンスの絵コンテを仕上げ、それをコンピューターに映像化して、プレビューとして見せてくれていたため、シーンを想像しやすかったそうだ。
本作では、『トランスフォーマー』シリーズで初めて女性であるクリスティーナ・ホドソンが脚本を執筆している。「今作は、とても人間的なストーリーだけれど、『トランスフォーマー』シリーズのファンも楽しめるロボットの戦いが描かれていて、先端技術を駆使して映像的にも素晴らしいアクション・シークエンスが含まれているわ。女性の脚本家が、少女の声(ヴォイス)を記すのはとても難しいことだけれど、クリスティーナはわたしが演じたチャーリーの見た目やエッセンスを捉えながら、成長過程で葛藤しているとても率直な少女として描いていたと思うの。クリスティーナは素晴らしい仕事をしたし、わたしと『スウィート17モンスター』でタッグを組んだケイリー・フレモン・クレイグも、今作では少し(脚本の改稿に)協力してくれているわ」とこれまでのシリーズとは異なった女性なりの観点が入っていると語った。
チャーリーとの共通点については「意欲と情熱ね。人は、映画でおとぎ話のようなエンディングを見たり、その(おとぎ話のような)出来事がいつか起きると夢見ていることや、日記に書いていることが現実に起きると信じていたりもするけれど、実際には現実とはかけ離れていたりすることがあるでしょ。でも今作はリアルで、現実味があって、(両親や友人に)理解されていないという葛藤もあるの。わたし自身もそういう(人に理解されない)経験はあったし、今でもそう感じるときがあるわ。だから、この役を通して自分の感情も吐き出せたのは良かったわ」とチャーリーと自身を重ねあわせて演じていたことを明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)