同性愛“矯正”セラピーの恐ろしい実態描く『ある少年の告白』4月日本公開
同性愛“矯正”セラピーを経験したゲイ男性の回顧録に基づいた映画『Boy Erased』の邦題が『ある少年の告白』に決まり、2019年4月より日本公開される。俳優ジョエル・エドガートンの監督第2作だ。
主人公は、牧師の父(ラッセル・クロウ)と母(ニコール・キッドマン)の一人息子として、アメリカの田舎町で育った大学生ジャレッド(ルーカス・ヘッジズ)。自分はゲイだと気付いたジャレッドだが、息子の告白を受け止めきれない父が勧めたのは同性愛を“治す”という転向療法への参加で、施設で彼が経験した「口外禁止」だというプログラムの内容は驚くべきものだった……。
2016年に発表された回顧録「Boy Erased: A Memoir」は、NYタイムズ紙によるベストセラーに選ばれるなど全米で大きな反響を呼んだもの。実際に同性愛“矯正”セラピーの多くは何の資格も持たない者によって行われているが放置されており、受けさせられた人々の自殺率は高く、深刻な問題になっている。
この回顧録に感銘を受けたジョエルは、監督・脚本・製作・出演の4役を兼ねる力の入れようで、ニコールら豪華キャストに自ら出演をオファーするなど映画作りに奔走した。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でオスカー候補にもなったルーカスは、本作での繊細な演技で第76回ゴールデン・グローブ賞男優賞(ドラマ)にノミネートされている。このほか、若き天才監督グザヴィエ・ドラン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、シンガー・ソングライターのトロイ・シヴァンらも出演している。(編集部・市川遥)
映画『ある少年の告白』は2019年4月よりTOHOシネマズシャンテほかにて全国公開