『万引き家族』ゴールデン・グローブ賞受賞ならず 外国語映画賞は『ROMA』
現地時間6日、第76回ゴールデン・グローブ賞が発表されたが、外国語映画賞にノミネートされていた是枝裕和監督の映画『万引き家族』は受賞には至らなかった。同部門の受賞作は『ゼロ・グラビティ』などのアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』だった。日本からはほかに細田守監督の『未来のミライ』もアニメーション作品賞にノミネートされていたが、受賞はならなかった。
ゴールデン・グローブ賞はハリウッド外国人映画記者協会の投票によって選定される映画賞で、アカデミー賞に次いで権威のある賞とされている。『万引き家族』は日本映画として第17回(1959年度)で外国語映画賞を獲得した市川崑監督の『鍵』以来、59年ぶりのゴールデン・グローブ賞受賞を目指したが届かなかった。日本映画のゴールデン・グローブ賞へのノミネートは第71回のアニメーション映画『風立ちぬ』(宮崎駿監督)以来5年ぶり、実写映画では第48回の『夢』(黒澤明監督)以来28年ぶりだった(ともに外国語映画賞にノミネート)。日本に関係した作品ではクリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』が第64回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞を受賞している。
昨年5月には1997年の今村昌平監督作『うなぎ』以来、21年ぶりに日本映画でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを獲得した『万引き家族』。ミュンヘン映画祭の外国語映画賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞の外国語映画賞など海外でも数々の賞を手にしており、22日にノミネーションが発表される第91回アカデミー賞外国語映画賞の最終候補作リストにも残っている。
同作は、都会の片隅で暮らす犯罪でつながった家族の姿を描いた作品。昨年12月14日時点で日本での累計興行収入45億3,000万円(興行通信社調べ・推定概算)というヒットを記録している。
『ROMA/ローマ』は『ゼロ・グラビティ』でアカデミー賞監督賞に輝いたメキシコ出身のアルフォンソ・キュアロンがメガホンを取り、Netflixで配信された。自身の体験も交えた自叙伝的なモノクロ作品で、1970年代のメキシコを舞台に激動の時代を生きた家族の物語が描かれる。
アニメーション作品賞は、複数のスパイダーマンが存在する世界を描く『スパイダーマン:スパイダーバース』が受賞した。(編集部・海江田宗)