ハリウッド版『ゴジラ』続編あの兵器が登場 監督の込めたシリーズ愛
ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラが登場するハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014)の続編『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を手掛けたマイケル・ドハティ監督が、本作における重要なテーマと共に、劇中に詰め込んだ過去シリーズへのリスペクトについて語った。
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本作は、米レジェンダリー・ピクチャーズとワーナー・ブラザースが展開する“モンスター・バース”シリーズの最新作。怪獣の復活によって世界が混乱するなか、秘密組織モナークの奮闘が描かれること以外は、ほとんどの情報が明かされていない。幼少期から『ゴジラ』映画に親しんできたドハティ監督は、物語の鍵を握るキーワードに「怪獣と人間の共存」があったと明かす。
「かつての映画でモスラは守護神として描かれ、小美人(双子の小さな妖精)や人間から崇拝されていました。それは、人類と怪獣は共存できることを象徴しています。怪獣を理解し、隣り合わせに生きていた文明が存在したのに、われわれ人類はそれを忘れてしまったのかもしれない。本作を通して、そのことを伝えたいと思ったんです」
そう語るドハティ監督にとって、怪獣もただのモンスターではない。「かつての『ゴジラ』シリーズに、モスラがゴジラとラドンに対して、キングギドラと戦うよう促し、そのやり取りを小美人が訳すという、素晴らしいシーンがあります(『三大怪獣 地球最大の決戦』)。それを観て、怪獣たちにも個性と知能があり、人間に対する考えも違うのだと気がつきました。僕の映画でも、怪獣たちは吠えるだけに見えて、実際には感情を持ち、思考していることをできる限り伝えたかった。クルーにも、彼らはただのモンスターではない、人格を持った生き物なんだと言い続けていましたね」
ちなみに、本作におけるモスラについては「過去のシリーズでは、モスラのための神殿や歌も存在していましたよね。この映画の初登場シーンで、モスラはそうした特別な歴史を持った存在であることが一目でわかる環境にいますよ」とのことだ。
人間と怪獣の関係といえば、怪獣に対抗するための兵器の数々も『ゴジラ』映画の醍醐味のひとつ。本作の撮影中、ドハティ監督はTwitterに、1作目の『ゴジラ』(1954)で登場した架空の科学兵器オキシジェン・デストロイヤーの写真を投稿していた。周囲の酸素を破壊する、初代ゴジラ抹殺の決め手となったアイテムについて「カメオではなく、物語の重要な鍵となるアイテムとして登場します」と認めたドハティ監督は、「もちろん他にも、人間側の兵器が出てきますよ」と期待をあおる。
本作の予告編では、怪獣が世界中で目覚める展開が示唆されているが、ゴジラ映画おなじみの名所破壊シーンも随所に登場するとのこと。「世界中の皆さんにとって馴染み深い場所が破壊されます。僕自身が『あの場所を壊そう』と言って選びました。何か所もありますが、なかには歴代シリーズで一度も壊されたことがない場所もありますから、楽しみにしててください」。(編集部・入倉功一)
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は2019年5月31日より全国公開