「時効警察」12年ぶり復活に猛反響 前シリーズを振り返り!
オダギリジョーが、時効になった事件を趣味で捜査する警察官にふんした連続ドラマ「時効警察」(テレビ朝日系)が12年ぶりに復活することとなり、ネット上では喜び、興奮の声でにぎわっている。2006年1月クールに深夜枠で放送されながら平均視聴率10.1%を記録する人気で、翌年第2作「帰ってきた時効警察」も制作された本作の魅力を振り返ってみた。
「帰ってきた時効警察」第8話では主演のオダギリが監督、脚本を務めていたことからも、オダギリの思い入れが感じられる本シリーズ。「キスで殺人」など意表を突く事件のトリックも目を引き、全体的にはゆるいテイストだが、中には家族間で起きた衝撃的な事件も。また、時効成立までに犯人逮捕につながったケースもあった。
一見ぼんやりしているようで有能な時効管理課の警察官・霧山(オダギリ)のキャラクターが絶妙。犯人がうそをつく時に「語尾に『はい』をつける」「メガネが曇る」「髪型が変わる」など、傾向、癖を見抜く鋭い洞察力を持っている。密かに霧山との結婚を夢見る交通課の女性警官・三日月しずか(麻生久美子)とのコンビネーションも痛快だ。
霧山をイジる時効管理課の面々もクセ者ぞろい。又来(またらい)をふせえり、サネイエを江口のりこ、課長・熊本を岩松了が好演し、第2作からは早織(当時は小出早織)演じる新人・真加出(まかで)も登場。そのほか、豊原功補が襟をたてたトレンチコートがトレードマークの“残念”な刑事・十文字疾風(じゅうもんじ・はやて)役で爆笑演技を披露したほか、光石研が時折、霧山の捜査に協力しつつ「街で見つけたヘンなもの」を見せる鑑識課の諸沢(もろさわ)に。
一方、ゲストの顔ぶれも華やか。犯人を含め、事件にかかわっていた人々に東ちづる、池脇千鶴、緒川たまき、永作博美、奥菜恵、森口瑤子、葉月里緒奈、櫻井淳子、りょう、麻木久仁子、市川実和子、杉本彩、ともさかりえ、鶴田真由、西田尚美、国生さゆり、加藤治子、室井滋ら。死亡した人々に、満島ひかり、真木よう子、ROLLYらも名を連ねていた。
そしてシリーズが長らく愛される理由の一つが、“気になる”シュールな小ネタの数々。「日曜日にメガネをかけるのはイギリス人っぽい」「ソーセージはくもりの日に食べた方がおいしい」といった、もっともらしいが意味不明な会話や、ガムをかむと10秒間だけ15年前の姿(美女)に戻るダンサー、民家にさりげなく置かれたタイムマシン、サービスや言動など何でも多めな食堂「多め亭」のおばちゃん(『帰ってきた時効警察』では『早め亭』に)、スイカの種で作られた森鴎外像……など。総武警察署のマスコット「そーぶくん」や、「プクーちゃん人形」「沈みがち人形」などのゆるキャラにもこだわりが見られた。
由紀さおりがナレーションを務め、「~と言っても過言ではないのだ! をよろしくお願いします」とタイトルを読み上げるオープニング(鳩時計から『よろしくお願いします』の垂れ幕が飛び出す)、霧山が毎回ラストで犯人なる人物たちに「誰にも言いませんよ」カード(時折、犯人によってバージョンが変わる)を渡すといった“お約束”も親しまれている。
新シリーズ「時効警察 2019(仮)」では、いつの間にかアメリカのFBIに出向していた霧山が12年ぶりに帰国。三日月は6年前に刑事課の刑事と結婚し、のちに離婚していたという設定で驚かせているが、2人のコンビ再結成にファンは大興奮。三日月は、長らく隠し持っている霧山との婚姻届を提出できる日が来るのか、恋の行方にも注目したい。(編集部・石井百合子)