野村萬斎、初のサラリーマン役に充実感
狂言師の野村萬斎が16日、ザ・リッツ・カールトン東京で行われた映画『七つの会議』完成報告記者会見に出席した。本作で初のサラリーマン役に挑んだ野村は「ようやくサラリーマン役がまわってきた」と笑顔を見せた。この日は共演の香川照之、及川光博、音尾琢真、藤森慎吾、朝倉あき、吉田羊、世良公則、鹿賀丈史、北大路欣也、福澤克雄監督も出席した。
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本作は、「半沢直樹」「下町ロケット」などで知られる作家・池井戸潤の同名小説を映画化。数々の池井戸ドラマを手掛けた福澤監督が、社内で起きたパワハラ告発をきっかけに、そこに隠されたある謎が会社や従業員たちを揺るがしていくさまをスリリングに映し出す。
野村が演じたのは、最低限のノルマしかこなさず“居眠りハッカク”という異名をもつ会社員・八角民夫(やすみ たみお)。「僕自身、グータラなので入りやすかった」とジョークを交えて語った野村は、予告編にも登場する、香川が「売って売って売りまくれ!」と叫ぶシーンを振り返り、「わたしは福澤組初参加の新参者でありますが、香川さんを手本にして。こういうテンションでくるのかと。(机を叩いて)手が腫れちゃうくらいに身を切って演じるということを学びました」と述懐。
また、初のサラリーマン役にも「やっとサラリーマン役がまわってきた。サスペンスはやりがいがあるなと。全員がそれぞれの正義を抱きながら生きていく。総当たり戦でもあるが、演じ甲斐もあります」と大満足といった様子だった。
さらに野村は、原作者の池井戸が撮影現場を訪れた日を述懐。ちょうど原作にないシーンを撮影していた時で、「小説とは別物だと言ってくださいました。映画は映画で観ていただき、小説は小説で読んでいただく。その二枚看板を先生も推奨されていました」と振り返りながら、「理屈はともかく、役者の演技合戦を楽しんでいただきたい」と自信をのぞかせた。(取材・文:壬生智裕)
映画『七つの会議』は2月1日より全国東宝系にて公開