瑛太、ハリウッドは目指さない!日本人の誇りを持って時代劇に取り組める俳優に
俳優の瑛太が19日、都内で行われた時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇最新作「闇の歯車」の舞台あいさつに出席し、時代劇への思いを語った。
時代劇専門チャンネル開局20周年を記念して制作された本作は、謎の男(橋爪功)の呼び掛けに乗った男たち(瑛太ら)が“現金強奪”という犯罪に一獲千金の夢を見たことで、人生の歯車が狂い始めるさまを描く。藤沢周平のサスペンス小説が原作で、4Kカメラで撮影された美しい映像も見どころ。この日は共演者の緒形直人、本作のメガホンを取った山下智彦監督も登壇した。
体調不良のため欠席となった橋爪は会場にメッセージを寄せ、司会の中井美穂が代読。「今日は舞台あいさつに伺えずすみません。続く舞台稽古の疲れか、体調不良で欠席することお許しください」と謝罪した上で、共に演技合戦を繰り広げた瑛太を高く評価しているようで、「今回は初めての共演ですが、また一緒にやりたい。また時代劇でやれたら。こちらの想像を超えてくる芝居に気持ちよく乗せてもらえました」と呼び掛けた。
瑛太はこの橋爪の手紙に感激の表情。「お体に気を付けて舞台を頑張っていただきたい。今回共演させていただいて、自分もたくさん勉強させていただいたし、リラックスもさせてもらいました。橋爪さんの『時代劇でやろう』という言葉の意味を深く捉えて今後も頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。
緒形も「いろいろ聞かれました」と振り返るように、瑛太は撮影中、共演のベテラン俳優陣を捕まえては演技について質問攻めをしていたという。緒形は瑛太を「時代劇も着流しもヅラも似合う。目もいい。肝が据わっていて色気がある。時代劇に合っている。若かりし頃の高倉健さんみたい。若手として時代劇を引っ張ってもらいたい」と絶賛し、観客は大きな拍手を送った。
NHK大河ドラマ「西郷どん」の撮影中に本作のオファーをもらったという瑛太。「正直、また時代劇かって。モチベーションをそこにもっていけるか自問自答していたんですけど、監督にお会いした時にこの作品に対する愛情の深さを感じて、これは全身全霊かけてやりたいと思いました」と出演を決めた経緯を説明。「昨今の日本映画の中の時代劇では、サスペンスでアングラなものが少なくなっている」と指摘し、「日本映画に関わる上で、日本人として誇りを持って時代劇に取り組める俳優になりたい」と宣言した。
続けて「なので僕は英語を勉強してハリウッドを目指すという考えはありません」とちゃめっ気たっぷりにスピーチ。「日本人として時代劇に取り組み、時代劇をもっと楽しめるエンターテインメントにしていきたい」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)
「闇の歯車」は時代劇専門チャンネルにて2月9日よる8時放送、放送に先駆けて1月19日より丸の内TOEI ほか全国5大都市を中心に期間限定上映