「グースバンプス」映画化までの困難な道のりを著者が明かす
人気児童小説「グースバンプス」シリーズを手掛けた作家R・L・スタインが、映画『グースバンプス 2:ホーンテッド・ハロウィン(原題)/ Goosebumps 2: Haunted Halloween』のデジタル配信を記念して、1月11日(現地時間)、同シリーズへの思いをニューヨークのAOL開催イベントで語った。
ハロウィン当日、ソニー(ジェレミー・レイ・テイラー)とサム(キャリール・ハリス)は、近所の廃屋で、鍵のついたタイトルのない草稿を見つける。その草稿はかつてこの地に暮らしていた作家、R・L・スタインの未発表の作品「ホーンテッド・ハロウィン」だった。だが、この2人が草稿を読んでしまったばかりに、これまで封印されていた腹話術の人形スラッピーが世界に飛び出してしまい、仲間のモンスターたちと共にハロウィンを台無しにしようと画策する。映画『理想の男になる方法』(日本未公開)のアリ・サンデルがメガホンを取った。
アニメシリーズ「ミステリー・グースバンプス」が放送されたのは1995~1998年。当時、長編映画の製作も近いと思われていた。「実はその頃(1990年代に)、フォックスとの映画契約を結んでいたんだ。そしてティム・バートンが製作を務める予定だったんだよ。“ティム・バートンのグースバンプス映画”になる予定だったんだ。実際に僕は、彼ら製作陣と共に大きな会合まで開いたくらいだ。そのときは誰もがハッピーだったね。だがティムは、その後スーパーマンのプロジェクトに関わり始めて、結局『グースバンプス』は製作されなかった(もっとも、このスーパーマン作品も製作はされていない)。そして、そのまま20年が過ぎたんだ」
その後、「グースバンプス」シリーズの映画化が決まってからも、実際に製作するまでには相当な時間がかかったという。「『グースバンプス』シリーズの映画化第1弾『グースバンプス モンスターと秘密の書』では、(製作に入るまで)17回も脚本を改稿したんだ。製作陣は小説『グースバンプス』シリーズのどの作品を選択したら長編映画が製作できるか、長い間検討していたらしくて、それを僕が脚色するという考えもあったそうだ(結局、映画2作品ともR・L・スタインは脚本には携わっていない)。ところが製作陣の誰かが、著者である僕(R・L・スタイン)を映画に登場させ、モンスターが本から逃げ出したことで、そのモンスターを僕が一網打尽にするというアイデアを出したんだ。僕が映画用の脚本を書かなくてよくなってからは、製作陣も良い脚本を書き始めることができたみたいだよ」と紆余曲折があったことを明かした。
実際に、自分のキャラクターが映画に登場することに関しては、あぜんとしたと語るR・L・スタイン。「原作者がキャラクターとして映画に登場するなんて、かなり不思議なことだろ(笑)! 製作陣は誰が僕の役を演じるのか、多くの俳優にアプロチーをかけていたみたいなんだ。その後、ジャック・ブラックとの話し合いを始めた。Twitterでは、『あなた自身がR・L・スタイン役を演じるべきだ、あなたよりも他に誰があなた自身のことをよく知っているというのか?』とコメントされていたみたいだし、多くの人がそう思っていたらしいけれど、妻から『あなたは、自分自身を演じるにはもう年を取り過ぎているわ』と言われてしまったよ」と笑顔で語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)