『十二人の死にたい子どもたち』脚本は困難だった…完成まで2年!
人気若手俳優の共演が「豪華すぎる」と話題を呼んだ映画『十二人の死にたい子どもたち』が、ついに公開された。冲方丁のサスペンス小説を映画化したが、脚本づくりは困難を極めたという。
キャストが伏せられた状態で映画の製作が発表され、出演者の予想がヒートアップした本作。集団安楽死を望む12人の未成年をめぐる物語で、杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈ら若手実力派が結集している。
映画の企画から脚本家・倉持裕の決定まではとんとん拍子に進んでいったが、いざ脚本の開発に入ると壁にぶつかった。複雑な内容の原作ゆえ、原作の良さをあますところなく残したうえで、2時間ほどにまとめるのは至難の業だったという。そこで、原作を読み込み、構造を分析・解体し、再構築を繰り返して2年近く練った末、クランクイン直前の2018年6月に最終稿にたどりついた。
そうして出来上がった台本には、6~7ページにわたる長い場面がざらにある。5台のカメラを一斉に回して、一気に40分間の長回し撮影も行った。映画を企画した目的の一つに「今流行っている恋愛映画やアクション映画とは違った、若い俳優の高い演技力が試せる作品を作りたい」ということもあり、堤幸彦監督は「こんなに密度の高い演技を撮ったのは初めてだった」と語っている。(編集部・小松芙未)