蒼井優&竹内結子『長いお別れ』映画化で姉妹に!
直木賞作家・中島京子の同名小説を『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が映画化する『長いお別れ』(5月全国公開)に、蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山崎努が出演していることが明らかになった。
『長いお別れ』は、認知症になった父を取り巻く家族が、日に日に記憶を失っていく父と向き合うことで、自分自身を見つめ直していく物語。カフェを開く夢も恋愛もうまくいかず、思い悩んでいる次女・芙美を蒼井、夫の転勤で息子とアメリカに移住し、慣れない生活に戸惑っている長女・麻里を竹内、専業主婦として夫と娘たちを献身的に支えてきた母・曜子を松原、認知症を患う父・昇平を山崎が演じる。
「ゆっくりと記憶を失っていく父との、お別れまでの7年間」というナレーションの入った特報映像も公開され、笑ったり泣いたりしながら前に進んでいく一家の姿が感じられる。映像にも登場するメリーゴーランドは、併せて披露されたビジュアルも彩っている。遊園地のシーンは、本作の印象的なシーンになっているという。(編集部・小松芙未)
蒼井優コメント
私が演じた芙美は、よしておけばいいのにと思うようなことをついやってしまう、でも笑えるほど不器用でもない、というちょっと不憫なタイプの女性です。そんな彼女が30歳を超えてもう一度家族から学ぶことの大きさが大切なのかなと思いながら演じました。
東家の皆さんとの共演はとても光栄でした。お芝居とは何なのかを山崎努さんの御本で学んで来た私にとって、まさか山崎さんと同じ画面に入れる日が来るなんて思ってもいませんでした。今思い返しても夢のような時間で、感動の連続でした。松原智恵子さんと竹内結子さんは、お二方が家族でいて下さる事が心強く、毎日本当に助けていただいてばかりでした。言葉では言い表せないほど感謝しています。
竹内結子コメント
クランクインの前に監督が、一つの家族として始められるように、東家のリハーサル時間を設けてくださったので、安心して撮影に入る事ができました。
姉妹の会話のシーンの撮影中、監督には「麻里さんがリズムを作ってほしい」と言われていました。私の今までのお芝居ではやったことのない、監督の独特のテンポを指示されたので、新しいものが見られるのでは、と完成を楽しみにしています。
松原智恵子コメント
認知症という暗くなりがちな話を、あたたかでユーモラスに描いた作品です。曜子の優しさと明るさをどうすれば出せるかと悩んでいた私に、中野監督は「明るく軽やかに、段々良くなってきましたよ。もう一度やってみましょう」と何度も辛抱強くやさしく「叱咤激励」をしてくださいました。時々落ち込む私(曜子)に、認知症の夫は無言のあたたかな眼差しを、明るい娘達はそれぞれ色々な問題を抱えながらも包み込むようなハグを……私自身が介護されて支えられていた毎日でした。そんなやさしい、あたたかな撮影現場でした。
山崎努コメント
原作を読んでいる時、この役のオファーが来るのではないかとの変な予感がありました。その予感が当たり、不思議な心持がしています。
中野監督のことは、前作や脚本に触れるにあたり、大変な才能だと思っておりました。実際に現場で一緒に仕事をしても、見事な演出で、感服致しました。
認知症の家族を持つ友人がいるのですが、彼はとにかく「笑うことが大事」だと言います。この作品が何より素晴らしいのは、認知症という扱いにくい題材に対し、おかしみの要素をうまく取り入れてユーモアを失わずに作り上げたところだと思います。