『ボヘミアン・ラプソディ』ノミネート取り消し 監督の性的暴行疑惑受け
映画『ボヘミアン・ラプソディ』がブライアン・シンガー監督の未成年性的暴行疑惑を受け、第30回GLAADメディア賞の最優秀映画(拡大公開)部門でのノミネートを取り消された。賞を主催するGLAAD(中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)がVarietyに声明を出した。
GLAADメディア賞最優秀映画賞は、LGBTQコミュニティーを正確かつ包括的に描写した作品に贈られる賞。先日シンガーがハリウッドでの立場を利用して少年たちに不適切な行為をさせていたという告発記事が米誌 The Atlantic に掲載されたことを重く受け、ノミネートを取り消したという。シンガーは2014年と2017年にも訴訟を起こされているが一貫して疑惑を否定しており、今回も「同性愛者を嫌悪する記者によって書かれた記事」だと反論している。
GLAADの声明には「若い青年やティーンエイジャーたちが耐えた言語に絶する仕打ちについての今週の The Atlantic の記事は、無視することなどできない現実を明るみに出しました。そして、シンガーはこの性的暴行疑惑から注意をそらすために不当にも“同性愛嫌悪”という言葉を使いました」「我々は変革の真っただ中にいます。性的暴行や暴力の信ぴょう性のある告発があったとしても、いつも通りに仕事を続けることができる時代は終わりました。今回の申し立てに対するシンガーの反応にはぞっとさせられます。真剣に受け止め、捜査されるべきです」と書かれている。配給の米20世紀フォックスはコメントしていない。
『ボヘミアン・ラプソディ』に関しては、先日第91回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、音響編集賞、録音賞、編集賞の計5部門にノミネートされたことも話題になった。シンガーは監督としてクレジットされているものの、撮影残り2週間というところで現場に来なくなったとして監督をクビになっている。
第30回GLAADメディア賞の最優秀映画(拡大公開)部門には『ブロッカーズ』『クレイジー・リッチ!』『デッドプール2』『蜘蛛の巣を払う女』『Love, サイモン 17歳の告白』がノミネートされた。(編集部・市川遥)