ヴェノムはこうして生まれた!原作者が明かす誕生秘話
マーベルの人気キャラクター・ヴェノムの生みの親として知られるコミックライター、トッド・マクファーレンが電話インタビューに応じ、ダークヒーロー誕生秘話や昨年公開された実写映画について語った。
スパイダーマンの宿敵でもあるヴェノムは、ジャーナリストのエディ・ブロックに地球外生命体“シンビオート”が寄生して誕生したキャラクター。原作コミック「ジ・アメイジング・スパイダーマン(原題) / The Amazing Spider-Man」の第299号で初登場した際には、その凶暴性と漆黒のスーツが読者に衝撃を与え、人気ヴィランの一人として多くのファンを獲得した。
トッドはヴェノムの誕生を“嬉しい偶然”と表現。「スパイダーマン」のコミックを担当した際に、スパイダーマンのスーツが従来の赤と青ではなく、黒かったことが誕生のきっかけだったといい、「私はスパイダーマンの大ファンで、“赤と青”のスーツが基本という感覚を持っていたので、黒のスーツで彼を描くことに違和感を覚えました。そこで『この黒いスーツを変更しましょう!』と提案して、(ピーターのスーツを)赤と青のままにしたんです」と告白。代わりに、黒いスーツを身にまとった別のキャラクターを描いた結果、ヴェノムが誕生したという。
ヴェノムの他にもトッドは、米イメージ・コミック社から出版された「スポーン」の生みの親でもある。自身のパーソナリティーと重ね合わせ、人間が秘める“陰”の部分をヒーローに投影したというトッドは、「私は人間のシリアスな面、堕落した部分が好きで、そこにどんな能力が秘められているのかに興味があります。私たちはそういった面を抑制しながら生きているんです」とダークヒーローに込めたメッセージを明かした。
ちなみに、昨年公開された映画『ヴェノム』について、トッドはヴェノムの巨体に大満足しており、メガホンを取ったルーベン・フライシャー監督にも、直接絶賛の言葉を投げかけたという。「映画『スパイダーマン3』(2007)にもヴェノムが登場していますが、それほど大きくはありませんでした。あの作品でも大きな体のヴェノムを期待していたので……。原作ではあえてスパイダーマンより大きく描きましたから。でも『ヴェノム』で(主演の)トム・ハーディが、巨体のヴェノムになった瞬間は、『これぞ、私が見たかったもの!』と喜びましたよ(笑)」
そんなトッドは現在、「スポーン」の実写映画化を自らの監督・脚本で進めており、ジェイミー・フォックス、ジェレミー・レナーがキャストに名を連ねている。トッドは同作について「アートドラマのような作品を目指しています」と告白。リアルさを追求するべく、アルフレッド・ヒッチコック監督作品のようなサスペンス要素を盛り込み、超常現象を描くという。原作のダークな世界観を再現するため、R指定での製作を予定しており、「とても不気味で不思議な世界観を展開する予定です」と自信をのぞかせていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
『ヴェノム』ブルーレイ&DVDは3月6日リリース、2月6日よりデジタル先行配信
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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