是枝裕和監督、アカデミー賞授賞式には「気楽な気持ちで」
映画監督の是枝裕和が14日、神奈川県川崎市で行われた「第73回毎日映画コンクール」の表彰式に出席。『万引き家族』が、第91回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされていることについて問われると「今回はノミネートに強い作品があるので、気楽な気持ちで参加してこようって。公式的にはそんな気持ちです」と心境を明かした。
『万引き家族』は、「第73回毎日映画コンクール」日本映画大賞のほか、安藤サクラが女優主演賞、昨年9月に亡くなった樹木希林さんが女優助演賞を受賞し、3部門を制覇。日本時間2月25日に行われる第91回アカデミー賞での外国語映画賞受賞の行方が注目されている。
是枝監督は、毎日映画コンクールでの受賞に「とても喜んでいます。何より役者さんを褒めていただいて、ここに一緒に来られたことを本当に誇りに思います」と笑顔を見せ、樹木さんとの思い出などを感慨深げに振り返った。
その後、話題はアカデミー賞へ。記者から「受賞の確率は?」と問われると、「この間もパーセンテージなんかを聞かれたんですけど、あまりそういうことを考えてあの場には立っていないんで」と困り顔。結果より、アカデミー賞に参加できたことを喜んでいると強調し、「アカデミー賞のノミネートに至る過程に参加できた。すごく刺激になっています。いい経験になっています」とコメント。
是枝監督自身は『ROMA/ローマ』や『COLD WAR あの歌、2つの心』が本命ではないかと予想しているようで、「そういう作品たちと自分の作品が肩を並べていることが光栄」と笑顔。授賞式にも出席すると言い、「これから外国語映画賞にノミネートされた監督のシンポジウムのようなものもあるんです」と今後のスケジュールを紹介。次回作についても「カトリーヌ・ドヌーヴさん、ジュリエット・ビノッシュさん、イーサン・ホークさんを迎えての新作を去年の11、12月とパリで撮影したので、それを今編集中です」と報告した。
最後に「今後は海外で活動を?」とも問われたが、「日本で撮りたいと思っているテーマ、役者さんがたくさんいるので、しばらくは日本の中でやれることをやっていきたい」と答えていた。(取材・文:名鹿祥史)