寛 一 郎、父・佐藤浩市から祝福のLINE キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞受賞
第92回キネマ旬報ベスト・テンで新人男優賞を受賞した俳優の寛 一 郎が、10日に都内で行われた表彰式に出席。父で俳優の佐藤浩市からLINEで祝福されたことを明かした。
映画情報誌「キネマ旬報」主催により、1924年度(大正13年)に始まった歴史ある同アワード。寛 一 郎は、俳優デビュー作『菊とギロチン』で新人男優賞を受賞。大正末期を舞台に、時代に翻弄されながらも自由に生きたいと願う若者たちの姿を描いた本作で、アナキスト・グループ「ギロチン社」のメンバーの一人・古田大二郎にふんした。
トロフィーを手にした寛 一 郎は、助演男優賞を獲得した松坂桃李が7年前に同アワードで新人男優賞を受賞したことから、トロフィーに「7年分の重さ」を感じると話していたことを引き合いに出し、「思った以上に重くてびっくりしています。松坂桃李さんの7年分の重みとは違う、物理的にですけど」と笑いを誘うと、「僕の筋力じゃ、あと1分も持たないと思うので1分で済ませます」とスピーチを開始した。
「賞にはあまり興味がない」という寛 一 郎だが、「実感していないというのが正しいかもしれません」と言い直すと、「自分がやったことが顕著に形になって返ってくるのは、自分の褒美ではなく、支えてくれる人たちへの報恩だと解釈しています」とコメント。「そう思うと、賞の価値を自分の中で見出せた」そうで、「光栄な賞をいただけたことがありがたく嬉しく思います。新人賞は期待値でしかないと思っているので、これからも映画の中で邁進していけたらと思います」と力を込めた。
また、撮影時は「(瀬々敬久監督に)殺されるかと思いました」とぶっちゃけ。司会を務める笠井信輔アナウンサーが「(瀬々監督が)首を絞めたりしたとか聞きました」と伝えると、「そうですね。あんまり記憶にないというか、記憶から消そうとしている」と苦笑い。
その後、笠井アナから「お父さんのこと、一つだけ聞いてもいいですか?」と控えめに尋ねられると「じゃあ一つだけ」と、受賞に対する父・佐藤浩市の話題に。寛 一 郎いわく佐藤から「『おめでとう』とLINEが来ました」そうで、笠井から「LINEだけ?」と聞き返されると、「そうですね」と笑っていた。(取材:錦怜那)
「2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン」受賞結果一覧は下記の通り。
<作品>
日本映画ベスト・テン第1位『万引き家族』
外国映画ベスト・テン第1位『スリー・ビルボード』
文化映画ベスト・テン第1位『沖縄スパイ戦史』
読者選出日本映画ベスト・テン第1位『万引き家族』
読者選出外国映画ベスト・テン第1位『スリー・ビルボード』
<個人>
日本映画監督賞:瀬々敬久『菊とギロチン』『友罪』
日本映画脚本賞:相澤虎之助、瀬々敬久『菊とギロチン』
外国映画監督賞:マーティン・マクドナー『スリー・ビルボード』
主演女優賞:安藤サクラ『万引き家族』
主演男優賞:柄本佑『きみの鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『ポルトの恋人たち ~時の記憶』
助演女優賞:木野花『愛しのアイリーン』
助演男優賞:松坂桃李『孤狼の血』
新人女優賞:木竜麻生『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』
新人男優賞:寛 一 郎『菊とギロチン』
読者選出日本映画監督賞:是枝裕和『万引き家族』
読者選出外国映画監督賞:マーティン・マクドナー『スリー・ビルボード』
キネマ旬報読者賞:立川志らく 連載「立川志らくのシネマ徒然草」
特別賞:樹木希林