立川志の輔、可愛すぎる猫たちと『ねことじいちゃん』初日祝う
落語家の立川志の輔が22日、新宿バルト9で行われた映画『ねことじいちゃん』の初日舞台あいさつに登壇し、初主演作が公開初日を迎えた喜びを語った。この日は共演の柴咲コウ、柄本佑、銀粉蝶、山中崇、葉山奨之、小林薫、そして岩合光昭監督も来場した。
ドキュメンタリー番組「岩合光昭の世界ネコ歩き」などで知られる動物写真家・岩合の映画初監督作となる本作。大勢の観客で埋まった客席を見渡した志の輔は「初日の第1回をご覧になっていただいてありがとうございます。わたしがじいちゃんです」とあいさつすると、「岩合監督の突然のオファーで何もわからないままお引き受けしましたが、1か月の撮影を続けられたのは、プロの俳優のみなさまのおかげでした。振り返ると楽しい1か月を過ごした“落語家”のわたしでございます」と晴れやかな顔を見せた。
キャスト陣によると、岩合監督は俳優よりも猫の演出により力が入っていたという。志の輔も「特にわたしのシーンでは、オッケーというとすぐにタマのところに駆け寄ってきて抱きしめるんですよ。わたしのことは1度も抱きしめませんでしたけどね」と報告し、会場を笑いに包んだ。
この日は「猫の日」ということで「猫と○○」というお題が登壇者たちに投げられた。そんななか、柴咲が「おうちにもいますし、父の家にもいます。猫は身近な存在なんです」と切り出すと、「うちの猫は熊本のキャットシェルターさんから譲っていただいた保護猫ちゃんなんですけど、本当に賢くて。目を合わせると飛び乗ってくるという芸が出来るんです」とコメントした。
だがそれも最近は危ないと思うこともあるそう。「ちょっとでも目が合うと飛び乗ってくるんで、お皿とかお鍋を持っている時は気を付けないといけない。セーターを着ていてもボロボロになってしまうので、それは苦労でもあり、幸せですね」としみじみ。柴咲の飼っている猫は白猫で、「左右の目の色が違っているんです。そういう子が捨てられていることは驚きですが、すくすく育っています」と付け加えた。
そんな柴咲の猫好きは「本物だ」と共演の山中は感じたという。撮影現場の支度部屋は、1階が衣装部屋、2階が猫が40匹ほど待機している部屋、そして3階がメイク部屋という造りになっていた。「僕も猫は大好きですが、それでも40匹いるとかなりの臭いがするんですよね。普段は飼育係の方が世話をしてくれるんですが、あるとき、柴咲さんが撮休のときにお掃除をされていて。本当に猫が好きなんだなと思って。初めて信用しました」と軽口をたたいてみせると、それには柴咲も大笑いだった。
そして最後には、タマ役で主演を務めたベーコンををはじめ、本作に出演した7匹の猫たちが駆けつけ、記念撮影が行われた。志の輔がベーコンを、柴咲がゆずを、小林がマロニーを、柄本がおはぎを、銀粉蝶が小梅を、山中がヒゲを、そして岩合監督がりんごを抱えていたが、そんな俳優陣と猫たちの姿に会場もホッコリ。ただし葉山は、劇中で猫に嫌われてしまう役柄ということもあって、残念ながらタマのぬいぐるみを抱いての撮影となった。(取材・文:壬生智裕)
映画『ねことじいちゃん』は全国公開中