樹木希林さん『エリカ38』も!沖縄国際映画祭、今年の上映作品が発表
春の沖縄の風物詩となっている「島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭」の概要発表会見が4日、新宿の吉本興業東京本部で行われ、女優の浅田美代子、松本穂香のほか、ガレッジセール、石田明(NON STYLE)ら、よしもと芸人が勢ぞろいした。
【写真】松本穂香もめちゃ笑顔!笑いあふれる概要発表会見の様子
「Laugh&Peace」をコンセプトに2009年にスタートした「沖縄国際映画祭」は、映画、音楽、ダンス、お笑い、ファッション、アート、スポーツなどの総合エンターテインメントの祭典として親しまれている。第11回映画祭は「化けろ!やりたいこと、全部やろう」をキャッチコピーに開催される。
今回は特別招待作品として、昨年9月に急逝した樹木希林さんが企画・出演も務めた、浅田主演の映画『エリカ38』が上映される。60歳を過ぎてなお38歳と年齢を偽り、ミニスカートから足を露出する色香で男たちを惑わし、金を巻き上げる女・エリカの物語だ。公私ともに樹木さんと仲が良かった浅田がエリカを演じた。「本当に希林さんとは仲が良くて。二人で一緒にワイドショーを見たりしていました」と語る浅田は、ある時、本作のモデルとなった事件を知った樹木さんが「美代ちゃん、面白そうじゃない。あんたこういうの(役)をやった方がいいよ」と提案し、浅田は「たぶんわたしには来ないと思うよ」と答えたと振り返る。
しかしそれからしばらくして、浅田のもとに同作のオファーが寄せられ、「ビックリした」そう。プロデューサーの奥山和由、『健さん』の日比遊一監督という布陣も樹木さんが提案したそうで、「美代ちゃんは元アイドルで、今でもなんとかやっているけど、何か残る作品を作ってあげたい」という樹木さんの思いでこの映画が実現した。一方、「樹木希林さんにお会いしたかったので、ご一緒させていただいて舞い上がりました」と語る山崎静代(南海キャンディーズ)はお手伝いさんの役で出演。山崎のキャスティングについて浅田も「静ちゃんがやってくれて良かったねと希林さんが言っていた」と笑顔を見せた。
そのほかの「特別招待作品」では、寺田心が最年少でミラノ国際映画祭の主演男優賞を獲得したことが話題となった『ばあばは、だいじょうぶ』、松本穂香、板尾創路、浜野謙太共演で、性別を超えた新しい家族の形を提示する『おいしい家族』、日本では舘ひろし&新垣結衣主演でドラマ化された五十嵐貴久の小説をベトナムで映画化した『パパとムスメの7日間』などが上映される。
一方、テレビ局と吉本興業がタッグを組んだ映画を上映する「TV DIRECTOR'S MOVIE」部門では、芥川賞作家・又吉直樹が2017年に書き下ろした妄想恋愛エッセイを渡辺大知、奈緒で映画化する『僕の好きな女の子』。小山健によるコミックを映画化した『生理ちゃん』。シソンヌ・じろうの小説を『勝手にふるえてろ』の大九明子監督が映画化した『甘いお酒でうがい』。葉山奨之主演、相席スタートの山崎ケイが脚本監修で、『脱脱脱脱17』の女子大生監督・松本花奈がメガホンを取った『キスカム!Come on,kiss me again!』。松本穂香、渋川清彦共演で、アルコール依存症の父を持つ女性の実体験を映画化した『酔うと化け物になる父がつらい』。そして NON STYLE 石田が脚本を担当し、内田理央、稲葉友という「仮面ライダードライブ」のコンビが出演する『クソみたいな映画』なども上映される。
「地域発信映画 supported by ひかりTV」部門では、『さよなら歌舞伎町』の廣木隆一監督が、菜 葉 菜、高良健吾ら出演で描く青春映画『海まで何マイル』。吉本実憂主演で、『カメラを止めるな!』で撮影監督を務めた曽根剛が監督を務めた『透子のセカイ』。『洗骨』が高い評価を受けるガレッジセールのゴリこと照屋年之監督が江口のりことタッグを組んだ『NAGISA』など、注目作が盛りだくさんとなっている。(取材・文:壬生智裕)
「島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭」は4月18日~21日まで沖縄県内各所で開催