消えた恋人はどこに…絶望漂うサイコサスペンス『ザ・バニシング-消失-』予告編
1988年の発表から30年を経て、日本で初めて劇場公開されるサイコサスペンス『ザ・バニシング-消失-』の予告編が公開された。観ているだけで不安に包まれるような、絶望的な空気が全編に漂う。
本作は、リヴァー・フェニックスの遺作『ダーク・ブラッド』(2012)や『マイセン幻影』(1992)などの故ジョルジュ・シュルイツァー監督が手掛けたオランダ映画。ドライブ先で、ふとした瞬間に恋人のサスキアが姿を消してしまった主人公レックス。3年の歳月がすぎ、新たな恋人ができてもなお彼女の行方を求める彼に、犯人らしき人物からの手紙が何通も届き始める。
公開当時のオランダ映画祭で最優秀作品賞受賞を受賞。全編に漂う静かな恐怖と、サスペンス映画史上に残る絶望的な結末が、現在まで語り草となっている本作。公開された予告編では、恋人の行方を追ううちに精神的に追い詰められていくレックスと、満たされたような不気味な笑みをたたえる男との対比が、静かに恐怖を演出する。
キーファー・サザーランドやサンドラ・ブロックを起用し、1993年にシュルイツァー監督自らの手でハリウッドリメイクされているが、全くと言えるほど違う作品になっている本作。それだけに今回の劇場公開は、サイコサスペンス史に残ると言っても過言ではない話題作を、スクリーンで観られるまたとない機会となる。(編集部・入倉功一)
映画『ザ・バニシング-消失-』は4月12日よりシネマート新宿ほか全国順次公開