テニスボール相手でも問題ナシ!『バンブルビー』ヒロインが引き出したリアルな感情
映画『トランスフォーマー』シリーズ初のスピンオフ『バンブルビー』(3月22日公開)で、主人公チャーリーを演じたヘイリー・スタインフェルドが、バンブルビーとの“共演”を振り返った。
【動画】『バンブルビー』ヘイリー・スタインフェルドインタビュー
ヘイリーが演じたチャーリーは、1987年に生きる、18歳になったばかりの女の子。ある悲劇をきっかけに母親との仲はギクシャク。思春期ならではの悩みを抱える彼女について、ヘイリーは「特別な能力なんて何もない、人生に悩む普通の女の子。そして、そんな自分が何でもできるんだって気づくことになるの」と語る。
ある日チャーリーは、おんぼろのビートルにトランスフォームして、廃車置き場に身を隠していたバンブルビーと出会うことに。『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(2017)で知られるトラヴィス・ナイト監督は、『トランスフォーマー』ならではの迫力のアクションと共に、バンブルビーとチャーリーの交流を、ノスタルジーあふれる温かなタッチで丹念に描き出した。
実に人間的な表情を見せるバンブルビーは当然CGで描写されており、撮影ではバンブルビーの代わりとなるテニスボールを相手にすることも。「実際のところ、難しかったわ。棒に刺さったテニスボールを相手に演技をするんだもの」と振り返るヘイリーだが、ナイト監督の明確な演出により、リアルな感情を表現できたと自負。特に、2人の出会いのシーンの出来に、自信をのぞかせる。「あそこでチャーリーは、普通なら怖がって叫んだり逃げ出したりしてもおかしくない物体に、純粋な何かを見出すの、相手が人間じゃなくても絆を結べるのだと感じたはず。まさに発見の瞬間だわ」
映画『トゥルー・グリット』(2010)で、14歳にしてアカデミー賞助演女優賞にノミネート。『バンブルビー』だけでなく、『スウィート17モンスター』(2017)でも等身大の女子を好演したヘイリーだが、天才子役として生活してきただけに、普通の女子高生を演じるうえで、苦労はなかったのだろうか?
「私にとっては この人生が“普通”なの。“標準的”ではないとは言えるかも。(だから)思春期もなければ役のような悩みもないと思われるのよね。だけど、残念ながら それは違う。思春期だってうんざりするほど長かったし(笑)。役を通して、実生活ではできなかった形で感情を表現できるのは嬉しいけれど、どれも私の中にもある感情よ。だから現実味のある人物を演じることができる」
SF超大作であるのと同時に、一人の少女の成長譚(たん)でもある本作。ヘイリーにとっても大事な作品になったようで「大人になるって、近道のない難しいことよね。その頃の気持ちが素直に表現されたこの役が大好きよ」と満足そうに語っている。(取材・森田真帆/構成・編集部・入倉功一)