阿部サダヲ「いだてん」で萩原健一さんと共演 叩かれるシーン懐かしむ
俳優の阿部サダヲが17日、NHK放送センターにて行われた大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」新キャスト発表会に出席し、第25回から政治家・高橋是清役で登場する故・萩原健一さんとの撮影の思い出を語った。
3月26日にGIST(消化管間質腫瘍)のため亡くなった萩原さん。演じたのは、内閣総理大臣のほか7度にわたって大蔵大臣を歴任した大物政治家。日本にオリンピックを招致した田畑政治(たばた・まさじ)にふんする阿部は、萩原さんとの共演について「大河に出演しなければ、共演できなかったと思う」と神妙な面持ちで語ると「ご病気とは気づかないぐらいで、すごく熱心で真剣にお芝居に取り組んでいる印象がありました。僕はあるシーンでショーケンさんに叩かれるのですが、多分僕は最後に叩かれた役者なんじゃないですかね。嬉しかったです」と故人を懐かしんでいた。
制作統括の訓覇圭プロデューサーは「ご一緒できる方とは思っていませんでした」とオファーを快諾されたときに驚きがあったことを明かすと「お引き受けいただくとき『今回は、萩原健一という自分の存在が見えるような役作りでもいいか』と話されていたのが印象に残ります。何かを遺そうと思ったのかもしれませんね」としみじみ振り返っていた。
大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」は6月より、主人公を、日本で初めてオリンピックに参加したランナー、金栗四三(かなくり・しそう/中村勘九郎)から田畑政治にバトンタッチした第2部がスタート。田畑を中心にさまざまな人が東京オリンピック招致に向け奮闘する姿が描かれる。新キャスト発表会には、阿部のほか、麻生久美子、桐谷健太、薬師丸ひろ子、リリー・フランキー、加藤雅也、塚本晋也が出席。
麻生は田畑の妻・酒井菊枝(さかい・きくえ)に。同僚の新聞記者・河野一郎(こうの・いちろう)と尾高(おだか)に桐谷、じろう(シソンヌ)。上司で政治部長の緒方竹虎(おがた・たけとら)にリリー。外交官・IOC委員の杉村陽太郎(すぎむら・ようたろう)に加藤、同じくIOC委員で伯爵・副島道正(そえじま・みちまさ)に塚本。第29代内閣総理大臣・犬養毅(いぬかい・つよし)に塩見三省。薬師丸は田畑が足繁く通うバー「ローズ」のママ・マリーにふんする(磯部正和)