台湾の“新視聴率男”ロイ・チウが半生を振り返り関係者に謝罪も!?
開催中の第14回大阪アジアン映画祭で14日、アジア映画界に多大な貢献をし、さらなる活躍が期待される「オーサカ Asia スター★アワード」の授賞式が行われ、台湾の俳優ロイ・チウに記念のクリスタル盾と花束が贈られた。タキシードで登壇したロイは「いつの日か日本の映画に出演できるよう期待しています」と日本語で、「これからも全力を尽くします」などと英語で、さらに北京語で「今後もいい映画に出ていい役を演じたい」と3か国語を駆使して挨拶し、国際的スターの貫禄を見せた。
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同賞は映画祭10周年を記念した2015年に創設され、今年で5回目。これまで台湾俳優チャン・シャオチュアン、永瀬正敏、香港女優クララ・ウェイ(カラ・ワイとも表記)、香港の監督・俳優のチャップマン・トーが受賞しており、台湾俳優としては2人目なる。
モデル出身のロイは歌手として活躍する一方、2002年にテレビドラマ「星が輝く夜に」で俳優デビュー。台湾では“新視聴率男”の異名を持ち、日本でもCDや写真集が発売。さらにはバレーボールの台湾代表選手だった過去を持ち、現在はカーレーサーとして活躍とマルチな才能を発揮している。今回の受賞は、同性愛者を演じた台湾映画『先に愛した人』(2018)で台北映画賞の主演男優賞を獲得し、中華圏のアカデミー賞こと台湾金馬奨でも主演男優賞にノミネートされるなど役者としての飛躍が高く評価された。
授賞式後に行われたトークイベントでは半生を振り返り、大学在籍中に芸能界デビューしたことから多忙となり、卒業まで6年かかったことや、歌手活動時にはロックに挑みたかったロイに対して事務所がバラードを要求したことから、意見を戦わせたことも明かした。ロイは「会社と考え方が全然違ったので、若い頃は喧嘩もしました。すいませんでした」と会場にいた関係者に向かって謝罪する一幕もあった。
そして兵役で芸能活動を休業したことが大きな転機となったそうで「兵役は人生の一つのライン。兵役後に何をするのか未来が見えにくく、なかなか自分の気持ちの整理がつきにくかった。でも幸い、人生を考える時間も余裕もありました。(兵役後は)来世のような感じがしました」と語った。
今年も『江湖無難事』と『第九分局』の2作の公開が控えているが、チャンスがあればレースにも出場したいという。ロイは「これからも頑張りますので応援してください。よろしくお願いします」と挨拶し、女性ファンで満席となった客席に爽やかな笑顔を振りまきながら会場を後にした。(取材・文:中山治美)
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