「いだてん」ストックホルム大会で悲劇…涙の感想続々
3月31日に放送された大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合・日曜20時~ほか)第13回で、主人公のランナー、金栗四三(かなくり・しそう/中村勘九郎)が出場したオリンピック・ストックホルム大会のマラソンで起きた突然の悲劇が明かされ、視聴者から悲痛な声が相次いでいる。(ネタバレあり)
第13回「復活」では、前回の「太陽がいっぱい」で四三に起きたアクシデントの内幕が明らかに。記録的な猛暑のなか、マラソン選手たちを襲った日射病。嘉納治五郎(役所広司)らが四三のゴールを待てども待てども姿が見えず、四三はホテルのベッドで目覚める。なぜ四三はホテルにいたのか? 彼の身に何が起きたのか……? 本人さえも把握していなかった、棄権のいきさつを検証するエピソードがミステリー仕立てで展開した。
四三が記憶をたどるなか、同じマラソン選手でポルトガル人のラザロ(エドワード・ブレダ)が日射病で帰らぬ人となった知らせが。この事件は、四三をはじめとする選手たちやオリンピック全体に大きく波紋を呼ぶことに。
ラザロは、四三が異国の地で心細い思いをしていたときに互いを奮い立たせ、国籍を超えて絆を育んだ人物。四三は貧しさゆえに電車に乗れずいつも走っていたことなど、境遇も似ていた彼にシンパシーを感じ「足袋」をプレゼントすることも。妻の出産を控えていたラザロを襲った突然の悲劇、そして彼の死をくんだ人々の決意は、多くの視聴者の涙を誘った。
31日に長崎県で行われた勘九郎と番組制作統括・清水拓哉のトークイベントではラザロ役のエドワード・ブレダから送られた手紙を、清水が代読する場面も。「ロッカールームで握手したシーンはとっても象徴的で良いシーンでした。プロフェッショナルな日本の『いだてん』チームと仕事出来て嬉しかった。また勘九郎さんと仕事がしたいので、是非仕事の話があったら呼んで下さい」と勘九郎との絆の深さをうかがわせるメッセージがつづられていた。
また、第13回では日本選手団監督として同行していた兵蔵(竹野内豊)にも悲劇が。長らく床にふせっていた彼は四三ら選手の力になれなかったと悔やむも、治五郎が強力な活を入れ、後世に残す緻密な資料をつくり上げた兵蔵の功績を「よくやった」と称える感動的な場面も見られた。
第14回「新世界」は14日放送。ストックホルムから帰国後の四三を待ち受ける狂騒が描かれる。(編集部・石井百合子)