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カンバーバッチのエジソン映画が復活!新編集版で8月公開へ

映画『ザ・カレント・ウォー(原題)』でのベネディクト・カンバーバッチ
映画『ザ・カレント・ウォー(原題)』でのベネディクト・カンバーバッチ - Courtesy of TIFF

 ベネディクト・カンバーバッチが発明家トーマス・エジソンを演じた映画『ザ・カレント・ウォー(原題) / The Current War』(『ぼくとアールと彼女のさよなら』のアルフォンソ・ゴメス=レホン監督作)が、ついに今年8月に全米公開される見込みになったとDeadlineなどが報じた。

【画像】2017年9月のトロント国際映画祭でお披露目されていた

 ワインスタイン・カンパニーの作品として、2017年9月のトロント国際映画祭でお披露目された『ザ・カレント・ウォー(原題)』。同年11月24日の全米公開を予定していたが、共同創業者のハーヴェイ・ワインスタインが約30年にわたってセクハラと性的暴行を行ってきたと告発され、公開延期に。その後ワインスタイン・カンパニーは破産し、2018年7月にランタン・キャピタルに売却された。

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 ランタンは損失をなるべく減らすべく、『ザ・カレント・ウォー(原題)』をさっさと海外で公開しようしたが、それに待ったをかけたのがゴメス=レホン監督の師匠で、本作の製作総指揮に名を連ねているマーティン・スコセッシ監督だ。実はトロントで上映されたのは、ゴメス=レホン監督の意に反したバージョン。ワインスタインにプリプロダクションの時点で重要なシーンをカットさせられ、さらにはワインスタインがトロント映画祭に出すと決めたために、ポストプロダクションと編集に全然時間が取れなかった不完全な映画で、ゴメス=レホン監督は「自分のものではないのに、自分の名前が付けられた映画」「内側から死んでいくみたいだった」と当時の苦しみを語っている。

 しかも、全米公開までの2か月を使い、自分の手で少しは修正できると思っていたゴメス=レホン監督のもとに送られてきたのは、新たにワインスタインが勝手に編集したバージョンだった。ゴメス=レホン監督が絶望していたところ、ワインスタインの犯罪が発覚し、会社も破綻……。スコセッシ監督が公開を止めたのはそのバージョンで、ゴメス=レホン監督は周囲のサポートを受けてスターたちを集めた再撮影を行い(1日しか時間はもらえなかったが、準備は万端だったためスムーズに行ったそう)、トロントでお披露目されたバージョンに五つのシーンを追加した上で全体は10分削り、彼が思い描いた形とトーンの映画にすることができたという。

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 そして今回、ワインスタイン・カンパニーの元COO(最高執行責任者)であるデヴィッド・グラッサーが立ち上げた新会社 101 Studios が、同作の米国配給権を300万ドル(約3億3,000万円・1ドル110円計算)で獲得。トロントでのお披露目から2年の歳月を経て、“エジソンとウェスティングハウスの間で緊張感が増していく相応しいペースなど、欠けていた全てのものがある(監督談)”新バージョンが劇場公開されることに。ゴメス=レホン監督の奇跡の逆転劇となった。

 1880年代後半、エジソン(カンバーバッチ)と実業家ジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)の間で勃発した“電流戦争”の顛末を描いた本作。アメリカにおける電力送電システム建設に関してエジソンの会社は直流、ウェスティングハウスの会社は交流を推し、州ごとの陣取り合戦のように熾烈な闘いを繰り広げた。ニコラス・ホルトトム・ホランドキャサリン・ウォーターストンら豪華なキャストが集っている。(編集部・市川遥)

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