アメリカの男女格差に立ち向かう!最強の85歳に注目
アメリカの最高裁判所の判事を務めるルース・ベイダー・ギンズバーグを追ったドキュメンタリー映画『RBG 最強の85才』(5月10日公開)。85歳(現在は86歳)のルースという人物に圧倒される内容となっている。
第91回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞のほか、歌曲賞にノミネートされた本作は、名前の頭文字から“RBG”とも呼ばれるルースに迫るドキュメンタリー。3月にはルースの半生を描いた『ビリーブ 未来への大逆転』が公開され、『博士と彼女のセオリー』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のフェリシティ・ジョーンズがルースを演じた。
1933年、米・ニューヨークのブルックリンに生まれたルース。当時は女性が社会で活躍する機会が少なく、ルースが弁護士になったのはかなり珍しかった。そんな時代に弁護士になるほど野心家な人物だったのかというと、ルースのことを昔から知る友人はインタビューで口を揃えて「内気な人」と表現する。
女性であるという理由で男性より給料が低いなど、不当な扱いをされる女性たちの裁判をルースは担当してきた。数十年前のアメリカの格差に驚かされると共に、ルースが最高裁判所の判事になるまでに歩んできた道のりがひもとかれていく。
ルース自身も女性という理由から不当な扱いをされ、その度に立ち向かってきた人物。「男性のみなさん、わたしたちを踏みつけているその足をどけて」というルースの言葉には考えさせられるものがある。また、これまでに3度のガンを乗り越えたルースは、ジムに行き筋トレを欠かさない。年齢に関係なく、仕事への情熱に燃える姿に刺激を受けるはずだ。(編集部・梅山富美子)