西島秀俊、『空母いぶき』原作者の激励に感無量 実写化にプレッシャーも
西島秀俊が24日、TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『空母いぶき』の初日舞台あいさつに登壇し、原作者のかわぐちかいじから送られた激励の手紙に感無量の様子を見せた。
「沈黙の艦隊」「ジパング」などで知られるかわぐちの人気コミックを映画化した本作。国籍不明の軍事勢力から突如、攻撃を受けた日本を舞台に、初の防衛出動を命じられた自衛官たち、総理大臣を中心とする政治家や官僚、そしてジャーナリストや一般市民の姿を描き出す。公開初日を迎えたこの日、西島のほか、共演者の佐々木蔵之介、本田翼、市原隼人、深川麻衣、藤竜也、メガホンを取った若松節朗監督が登壇した。
原作者のかわぐちは会場に向けて手紙のなかで、映像にみなぎる緊迫感を絶賛。国防という重要な問題を正面から描いている迫力に「原作者としてその映像に接することができ、これ以上の本望はありません」とコメントを寄せた。西島は感無量の表情で「傑作の実写化ということで、撮影中は本当に緊張しました」と振り返る。続けて「かわぐちかいじ先生の作品はスケールも大きく、実写化も難しいといわれているので、ハードルがすごく高かった。初日を迎えられたことが本当に嬉しい」と満面の笑みを浮かべた。
佐々木も「かわぐち先生が取材の際に『原作を描いたときは(戦争を描くので)怖さを大切にしたいと思って描いた』とおっしゃっていましたが、自分も正直少し怯みました」と告白。「やっぱり怖いなって。でも初日を迎えて改めて、この船に乗ってよかったなと誇りに思っています」と嬉しそうな表情を見せた。
そんな西島と佐々木の撮影現場での様子について、藤は「西島さんも佐々木さんも準備万端で、撮影が始まったときには完璧でした。(その時点ですでに)1か月くらいやっている感じがありました」と称賛の言葉を送る。西島は恐縮しながら「(クランクインにあたって)自衛隊のみなさんにお話を聞くことができて、事前の準備をたくさんさせてもらえて感謝しています」と口にした。
さらに藤は「映画は150本くらい出ていますけれど、ヒット作は6本くらい。一度ここでヒットの気持ちを味わってみたい」と冗談交じりに発言して期待を寄せる。若松監督は「戦争という材料を借りているのですが、その先に見据えるのは平和。平和をみんなで考えてほしいという気持ちでいっぱいです。多くの人に観てもらえれば」と作品をアピールした。(取材・文:名鹿祥史)
映画『空母いぶき』は全国公開中