殺人衝動を持つ男&自殺願望のある女が出会い…サイコスリラー『ピアッシング』本編映像
村上龍の同名小説をハリウッドで映画化したサイコスリラー『ピアッシング』から本編映像が2本公開された。殺人衝動を持つ男と自殺願望のある女の運命の出会いが、緊迫感たっぷりに映し出される。
主人公は、自分の幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動に駆られる男(クリストファー・アボット)。彼はその衝動を抑えるため、SM嬢(ミア・ワシコウスカ)をホテルに呼び出して殺害する計画を立てるが、計画は滑稽なほど思い通りにはいかない。ホテルにやってきた女は、いきなり自分自身を傷つけて倒れこんでしまい……。
1本目の本編映像は、二人が出会うまでをスタイリッシュな二分割画面で映し出したもの。無心でアイスピックを振るい、殺人の予告練習をする男の姿が恐ろしい。2本目はシャワールームのシーンで、彼が、女が隠していた真実の姿<=抑えきれず自分自身を傷つけてしまう衝動>を理解し、完璧だった殺人計画が崩れ始めるのを感じるシーンだ。「ホテルの扉の内側で起こっていることは誰にもわからない。現実なのかファンタジーなのか境界線もわからない」という、作品の世界観を象徴する映像になっている。
メガホンを取ったのは、米インディーズ界の新鋭ニコラス・ペッシェ監督。ペッシェ監督は次回作としてホラー映画『呪怨』のリブート版に取り組んでいるなど、日本文化を敬愛しており、劇中に荒木経惟の写真を使っているほか、和洋芸術の絶妙な親和性が作品に不思議な深みを与えている。(編集部・市川遥)
映画『ピアッシング』は6月28日より新宿シネマカリテほか全国公開