劇場アニメ『ぼくらの7日間戦争』特報公開!初映像化から31年 12月公開
1988年に宮沢りえ主演で実写映画化された、作家・宗田理のベストセラーを長編アニメーションとして再び映像化した『ぼくらの7日間戦争』が、12月に全国公開されることが決定し、特報映像とティザービジュアルが公開された。
実写映画『ぼくらの七日間戦争』は、管理教育式の学校教育がまだ根強かった時代の空気を取り込み、抑圧された中学生たちが、廃工場に立てこもり教師や大人に反抗する姿を描いた作品。宮沢りえの初出演映画でもあり、TM NETWORK の主題歌「SEVEN DAYS WAR」のヒットと共にブームを巻き起こした。
アニメは、少年少女たちの「七日間戦争」から30年ほどの時が流れた2020年が舞台。大人の都合で引っ越しを迫られる少女・綾と、彼女に思いを寄せる少年・守を中心に、原作のスピリットを受け継いだ新たなストーリーが展開する。新たな物語を象徴するように、タイトルの数字は「七」から「7」へと変更された。
特報では、何気ない日常をすごしていた綾と守の反抗が、やがて仲間たちを巻き込んだ騒動へと発展していくさまが映し出される。ティザービジュアルでは、舞台となる雄大な山々を見渡す少年少女6人が描かれており、キャッチコピーにあるように、その反抗が、大人へと成長するための「スタートライン」となることを予感させる。
91歳にして今も新作を書き続ける宗田は、シリーズのテーマである「大人への挑戦」と「ユーモラスな戦い」を描くことを条件に再映画化を快諾。新世代が担うアニメ化への思いをつづっている。「子どもたちが常に抱いているいたずら心や冒険心、悪い大人への挑戦を子どもの視点から描こうと思ったのがきっかけでこの物語は生まれました。今もこのテーマを変えることなく、シリーズの新作を書き続けていますが、これが子どもの本心をついているから、いつになっても子どもたちの心をとらえて読み続けられているのではないかと思います。これは作者にとってこの上ない喜びです。今回、この作品が新しいストーリーのアニメ映画になります。アニメ映画には小説とは違う感動と面白さがあります。あの物語がどんなふうに表現され、みなさんをとりこにするのだろう。それを想像すると、原作者としてもわくわくしてきます。小説とは違う感動をぜひ劇場で体験してください」
監督は「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」などテレビアニメで活躍する34歳の若手・村野佑太。「解放区より愛をこめて - 原作を読んで胸が一番高鳴った場面です。今の子どもたちが必要としている解放区とはなんだろうか。原作の発表された時代ほど大人は物分かりの悪い人間ばかりではないし、生まれた時から当たり前にあるネット環境は大人に内緒で冒険することを容易くさせました。しかしどうやら、自分たちの自由な居場所を獲得しやすくなったと同時に、その居場所を守る為にはまた別の不自由さが生まれているみたいです。今の子どもたちが巻き起こす、新しい7日間の冒険。原作と、そしてかつての映画に精一杯の敬意を持って、新しい『ぼくら』の7日間戦争を紡いでいけたらと思います」と語っている。
脚本は「コードギアス 反逆のルルーシュ」などの大河内一楼。清水洋がキャラクターデザイン、けーしんがキャラクター原案を担当する。(編集部・入倉功一)