妊娠8か月の女優を惨殺…女たちはなぜカルトを妄信したのか『チャーリー・セズ/マンソンの女たち』公開決定
女優シャロン・テートさんらを惨殺し、全米を震撼させたカルト集団マンソン・ファミリーの実行犯たちを描いた映画『チャーリー・セズ/マンソンの女たち』が、新宿シネマカリテの映画フェス「カリコレ2019」(7月13日~8月9日)内で日本初上映される。
1969年8月9日未明、ロマン・ポランスキー監督の妻で女優のシャロン・テートさんがハリウッドの自宅で友人3人、そして通りかかった若者と共に惨殺されたこの事件。妊娠8か月の体はズタズタに切り裂かれ、玄関のドアにはシャロンさんの血液で「Pig(ブタ)」と書かれていた。翌10日未明、ロサンゼルスに住むラビアンカ夫妻が同様の手口で殺害され、犯罪史上未曽有の猟奇残虐殺人として全米を震え上がらせた。逮捕されたのはチャールズ・マンソンとそのファミリー約20人で、マンソンは自らをキリストの復活、悪魔とも称してヒッピーコミューンを形成したカルト集団の首領だった。
殺人の実行犯はマンソンに盲従する20歳前後の女たちを中心としたファミリーのメンバーであり、本作は彼女たちがいかにしてマンソンと出会い、洗脳され、狂信の果ての殺人へとひた走っていったのかを描く。3人の実行犯にふんしたのは、テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のハンナ・マリー、ケヴィン・ベーコンの娘ソシー・ベーコン、新鋭マリアンヌ・レンドンで、チャールズ・マンソン役を「ドクター・フー」のマット・スミスが務めている。
原作は、平和的なヒッピー集団が戦闘的な殺人結社と化すまでをつづった犯罪ドキュメント「ファミリー:シャロン・テート殺人事件」(エド・サンダース著)で、メンバーの長きにわたる獄中生活を記録した別の著書の要素も取り入れられた。監督は『アメリカン・サイコ』のメアリー・ハロン。残虐な殺人そのものではなく、カルト集団に参加するところから収監されるまで、主要な女性メンバー三人を中心にこの悲劇的な事件に至る過程を描き、マンソン・ファミリーに対する新たな見方を提示している。(編集部・市川遥)