サミュエル・L・ジャクソン主演『シャフト』新作は父子の掛け合いに注目!
2000年に手がけられたサミュエル・L・ジャクソン主演、ジョン・シングルトン監督の映画『シャフト』(2000)の続編映画『シャフト』について、ジェシー・アッシャー、レジーナ・ホール、アレクサンドラ・シップ、ティム・ストーリーが、6月10日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。
ジョン・シャフト(サミュエル)は、車内にいた生まれたばかりの子どもJJ(ジェシー)と妻マヤ(レジーナ)の目の前で、銃撃戦が起きてしまったことで、妻のマヤから三くだり半を突きつけられ、息子JJと共に家を出て行かれてしまう。その後、父親ジョンと疎遠だった息子JJは、マサチューセッツ工科大学(MIT)を卒業し、FBIでサイバー犯罪を追うエージェントになるが、ある日、親友が突如何者かに殺されたことで、父親の助けを借りて、犯人を追いかけていくというもの。
アレクサンドラは、JJの恋人サーシャを演じ、テレビシリーズ「ピオリアのプリンス」で製作総指揮を務めるティム・ストーリー監督がメガホンを取った。
本作品ではジョンとJJの親子が、互いをあざけるところが魅力となっていて、息子のJJは、父親ジョンを時代遅れとからかい、その一方で、父親のジョンから、気分を害するジョークを言われ、辱めを受ける。だが、そんな中で父親ジョンは、(弱々しい)JJに男気を教えていく。JJを演じるジェシーは、「父親であり、(周りの人から)とても尊敬されている存在のジョン・シャフトの世界観を揶揄(やゆ)する部分が、この役を演じる中で、最も楽しかった箇所だった。また、サミュエル・L・ジャクソンの相手役として、演技ができたことは最高の体験だった」と振り返る。さらに、「JJは、ハーレムにいなかったのと同じように、シャフトの世界観の中で育てられなかったため、シャフト一家の一員になるということがどういう意味合いがあるのかわかっていないんだ。だから父親のジョンは、そのシャフトという名を名乗ることが、どういう意味なのか示すことになる」と付け加えた。
今作で、ティム・ストーリー監督と3作タッグを組んだと語るレジーナは、ティム監督との再タッグについて「脚本にある程度、どんなトーンで妻役のマヤを演じれば良いのか記されているものの、ティムとは、『このシーンでは、(わたしの役は)どう考えれば良いの? とか、セットで会話のやり取りができて、わたしがアイデアを出すと、『試してみなよ!』と新たなことに挑戦することを励ましてくれるところが素晴らしいわ。いろいろ試させてくれるけれど、ティム自身はわたしの試した演技の中で、何が(今作には)必要なのか、しっかり理解しているの」と答え、お互いが何を欲していて、何を要求されているのか、ちゃんと認識していたそうだ。
映画のオープニングシーンについて、ティム監督は「幸運なことに脚本家ケニヤ・バリス(映画『ガールズ・トリップ』の脚本家)の脚本を得ることができて、その脚本では、シャフトがどんな一家であるか、まるで歴史を振り返るようにオープニングシーンが始まる。そのシーンには、レジーナ演じる妻マヤと夫のジョン・シャフトが登場し、そのオープニングシーンを正しいトーンで演出をすれば、観客もこの映画がどんな映画になるか把握できるシーンになっているんだ」と語り、さらにティム監督は「ジョン・シャフトは、今ではまるで恐竜のような古い存在で、今さら彼は変わりようがない。だが、彼の周りにいる人々は、いつまでもそんな恐竜みたいな存在でいることはできないと、丸め込もうとするんだ」と教えてくれた。
映画内にはアレクサンドラ演じるサーシャが、レストランでのJJと敵との銃の撃ち合いを見ている興味深いシーンがある。「あのシーンは、とても楽しかったわ。ティムは、テーブルの下に隠れて、わたしがどんな演技をすれば良いか、演技をして見せてくれたのを覚えているわ。ティムからは、(急な銃撃戦で)おびえているけれど、(JJの銃の撃ち合いを見て)興奮していく姿を示してくれと言われたの」と明かすと、ジェシーは「そんなアレクサンドラ演じるサーシャが、貪欲な目でJJを求めている姿に、僕は『ティム、すぐにカメラを回しなよ!』と言って、僕がそのシーンをスローモーションで撮影するようにと指示したんだ」と自慢げに話してくれた。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)
映画『シャフト』はNetflixにて6月28日から配信