松下奈緒&ディーン・フジオカ、『エンジェルサイン』北条司の絵コンテに感激!
「シティーハンター」などの漫画家・北条司が、実写映画の総監督に初挑戦する映画『エンジェルサイン』。セリフは一切なし、音楽と映像で語られる本作に出演する松下奈緒とディーン・フジオカが、今年3月に都内で行われた現場取材で、作品や北条総監督とのタッグについて語った。
本作は、セリフを使わず、漫画における“演出力”を評価する「サイレントマンガオーディション」で受賞した短編漫画数作品と、北条総監督が書き下ろした「プロローグ」「エピローグ」で構成された長編オムニバス映画。音楽で世界を感動させるという夢を抱くピアニストのタカヤ(ディーン)は、「エンジェルサイン」という曲を作るも、心臓発作で帰らぬ人に。タカヤが残した楽曲を恋人のチェリスト・アイカ(松下)が演奏したことによって、楽曲が世界中で奇跡を起こしていく。
2017年放送のドラマ「今からあなたを脅迫します」で共演歴がある二人だが、本作ではセリフなしの演技に挑戦。松下は、台本を手にした際に「どうやってお芝居を成立させるのか? という難しさを感じました」と振り返る。サイレントで演技をしていく中で、“キャラクターの気持ちになること”が大切だと気づいたそうで、「今は、言葉がないからこそ(表情や動作で思いを)伝えようという気持ちになれました」と心境の変化を明かした。
対するディーンは、「昔受講したレッスンで行った、“1、2、3”という言葉だけで演技をするというのを思い出しました」と過去の経験を振り返る。「感情を伝えるのも、全部“1、2、3”で表現するんです。気持ちであったり動作を伝えることはできるけど、言葉が使えないという部分を思い出して、すごく懐かしかったです」としみじみ。撮影現場では、各シーン毎にセリフを想像しながら演技をしていたといい「(松下と)二人で、『このシーンではどういうことを話しているのか?』というのを想像していましたね」と明かした。
本作では、北条総監督が描き下ろした絵コンテが台本の代わりに使用された。「プロローグ」の絵コンテは、総監督がわずか1日で仕上げたものだという。松下は「北条先生の絵だ! と思いました。小さい時から多くの作品を拝見していたので、(絵コンテの)全部が『シティーハンター』に見えてくるし、不思議な気持ちでうれしかったです」と絶賛。松下の言葉に、ディーンも「まさに冴羽リョウ(『シティーハンター』の主人公)でしたね」と同調。「僕の世代の男の子って、誰しも冴羽リョウみたいになりたいって夢を抱いていたと思うんですよね。なので、今回(その絵をもとに)演じてみて、不思議だなと思いました。もちろん、今回の役は冴羽リョウじゃないですけどね(笑)」と笑みを浮かべていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)