人並外れた嗅覚を持つ異形の女…北欧ミステリー『ボーダー』日本版ビジュアル
人並外れた嗅覚を持つ異形の女性を主人公にした北欧映画『ボーダー 二つの世界』の日本版ビジュアルが公開され、ギレルモ・デル・トロ監督も「社会に見捨てられた者が人生において愛と怒りの間で選択を迫られる、大人のためのおとぎ話」と称賛した本作の世界観が明らかになった。
『ぼくのエリ 200歳の少女』『モールス』の原作者として知られるヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの小説を原作に、リンドクヴィストとイラン系デンマーク人監督アリ・アッバシが共同で脚本を執筆した本作。違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分けるという特殊能力を持ちながらも、その容貌のせいで孤独を強いられる税関職員ティーナが、不気味な男ヴォーレとの出会いにより、己の人生を変えるような事件に巻き込まれていく。
今回公開された日本版ビジュアルは、税関職員の制服を着たティーナが、妖しくも美しい森の中で佇む姿を捉えたものだ。善悪、美醜、性別、貧富、国境……自己と他者を分けるものは一体何なのか。本作の重厚な人間ドラマと奇想天外なストーリーテリングは世界で高い評価を受けており、第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門では最高賞にあたるグランプリを受賞している。
また、映画の公開に併せ、本作の原作も収録されているリンドクヴィストの短篇集「ボーダー 二つの世界」が9月下旬(予定)に早川書房より邦訳刊行されることも決定した。『ぼくのエリ 200歳の少女』『モールス』の続編にあたる注目作「Let the old dreams die」(邦訳タイトル「古い夢を死なせてあげて(仮)」)を含む全11篇が収録される予定だ。(編集部・市川遥)
映画『ボーダー 二つの世界』は10月11日よりヒューマントラストシネマ有楽町・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開