超オタク!「ストレンジャー・シングス」クリエイターのアニメ・ゲーム愛がスゴかった
ストリーミングサービス大手Netflixの人気シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のショーランナーを務める兄弟監督、マット・ダファーとロス・ダファーが、7月4日のシーズン3配信を前に電話インタビューに応じ、日本のアニメ・ゲームへのあふれんばかりの愛情と、シリーズに与えた影響を語った。
「ストレンジャー・シングス」は、1980年代のアメリカを舞台に、不気味なクリーチャーが潜む“裏側の世界”とつながった田舎町で起こる奇怪な事件を描いた作品。町に暮らすオタク少年たちが、不思議な超能力少女との出会いをきっかけに、事件の真相へと迫っていく。
青春、恋愛、コメディー、ホラーなど、さまざまな要素が絡み合う本作のアイデアは、ダファー兄弟の「子供時代の感覚を捉えることはできないか?」という問いかけから生まれた。「僕らも主人公たちのようにオタクっぽい子供でした。モンスターと戦うような体験はなかったけど、わりと外へ冒険に繰り出すタイプでもあったし、夏になれば毎年、映画を作っていた。そうした仲間同士ですごした感覚や、大好きだった映画や物語へのオマージュを作品にできないか? というところから始まったんです」
それだけに本作には、2人が愛する、映画・アニメ・ゲームへの愛が散りばめられている。自ら“超オタク”と称する2人が、ドラマに影響を与えた日本作品に挙げるのが、大友克洋の映画『AKIRA』(1988)と、岡本倫原作のアニメ「エルフェンリート」(2004)だ。
特に「エルフェンリート」は、マットが「2人とも本当に大好きで、大きなインスピレーションをもらっています」と語れば、ロスも「(日本のアニメでは)『君の名は。』も素晴らしかったけど、やっぱり『エルフェンリート』だよね(笑)」と言うほど。「アメリカだとみんな知らないから、そのタイトルに反応してくれるのはすごく嬉しい。本当に『ストレンジャー・シングス』に大きな影響を与えたんだ。僕らのシリーズは、あれほど暴力的ではないけど」
そこで、好きな日本のアニメを尋ねると「『鋼の錬金術師』は2回目のテレビシリーズ(鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST)の方も好きですね。『DEATH NOTE デスノート』も超好き。あと宮崎駿作品、特に『天空の城ラピュタ』に『千と千尋の神隠し』かな……」と止まらない。「きっと電話を切った後で、あれもあれも好きなのに! って思い出して自分に怒りを覚えるんだろうなぁ(笑)」
さらに、本作を語るうえで欠かせないのがゲームの存在だ。今シーズンには「バイオハザード」が大きく影響を与えており、ロスは「オリジナル版をプレイしたとき、心から怖いと思った。あんな体験は初めてだったし、クリーチャーのデザインも本当に素晴らしいんです。シーズン3のクリーチャーの造形からは、『バイオハザード』の影を感じてもらえると思います」と証言。そしてマットは「最近、ゲームのリブートが流行っているよね。この前『バイオハザード RE:2』をプレイしたんだけど、僕にとっては史上ベストだな、あのゲーム」と続く。
そんな2人の子供時代は「メタルギア ソリッド」と「ファイナルファンタジーVII」が“鉄板ゲーム”だったという。「もちろん、映画とは違うメディアだけど、深い意味で影響されたタイトルですね。こんなのもありえるのか! ってゲームへの見方を変えてくれたんです」とのこと。「メタルギア」を生んだ小島秀夫監督の新作ゲーム「DEATH STRANDING」(デス・ストランディング)について「超ヤバいよね」と切り出すと「どんなゲームになるのか予告編からは全く予想もつかないし、小島さんがどういうものを繰り出してくるのか? 考えもつかないけど、とにかくプレイできるのを楽しみにしています。だって、完全にクレイジーだもの。ギレルモ・デル・トロがキャラ出演っていうのもヤバいですよね!」とゲーム愛も止まらなかった。(編集部・入倉功一)
Netflixオリジナルシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン1~2は独占配信中 シーズン3は7月4日より独占配信開始