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齋藤飛鳥、乃木坂46で得た「人間力」

齋藤飛鳥
齋藤飛鳥

 『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』から4年、アイドルグループ乃木坂46のドキュメンタリー映画第2弾『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』が7月5日より公開される。2017年から2019年の活動を追いながら、グループの中核を担ってきた1期生・西野七瀬の卒業に揺れるメンバーの苦悩や葛藤が映し出される本作。同期として活動を共にしてきた齋藤飛鳥が、映像を通して改めて実感した心の成長、旅立つ西野への思い、さらには自身の卒業について赤裸々に語った。

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なぜ、アイドルになったのか

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 「カメラが回っていても、全く気にならない。いつもと同じ、自然なわたしがそこにいた」という齋藤。今回は「グループの裏側に入り込みながら、個人にもしっかりフォーカスを当てていたので、メンバーそれぞれの気持ちも含めて、わたしの知らないことがたくさんあった。そういう点では、すごく新鮮でしたね」と笑顔を見せる。かくいう齋藤は、人とつるむことを好まない。一人で本を読み、一人でご飯を食べ、周りと談笑することもなく、壁にもたれながら本番を待つ姿が映し出される。「メンバーと話すことが嫌いなわけじゃないんです。ただ、選択肢として一人でいる方が好きだから」。

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 自分に興味がなく、率先してスポットライトを浴びることがむしろ苦手だという齋藤。そんな彼女がなぜ、アイドルになったのか。「AKB48さんとかハロー!プロジェクトさんとか、キラキラした世界に憧れはあったけれど、自分がそこに入りたいと思ったことはなかった。ただ、地元の学校で集団生活が上手にできていなかったので、それを見かねた母や周りの方にオーディションを勧められて受けることに」と述懐する。加入当時まだ13歳、あまり深く考えず、言われるがままにオーディションに臨んだという齋藤だが、結果は見事合格。唯一興味があったのは「アイドルという集団の中に身を置くことによって、自分がどんな経験をし、どう変わっていくのか?」という部分。あくまでも人間的な成長が、彼女のアイドル人生の原点なのだ。

乃木坂46に入って8年、センターを務める責任

齋藤飛鳥

 ところがそんな齋藤も気がつけば、センターを任されるほどの人気者に。「最初は『なんで齋藤なの?』という乃木坂ファンもいたでしょうし、わたし自身も『え、わたしなんだ……』という感じで、少し窮屈な感情を抱いていたんですが、最近はその責任を感じつつも、センターだからといってあまり重く考えないように心がけています」とニッコリ。「性格的には後ろで踊っているくらいが好きなんですが、ただ、『裸足でSummer』や『Sing Out!』はライブですごく盛り上がる曲だし、ファンの方も思いっきりノッてくれるので『楽しかった!』という思いはありますね」。

 乃木坂46に入って8年、もはやグループの中心メンバーとして欠くことのできない存在になった齋藤。かつて自身が興味を寄せていた「成長」は見られたのだろうか? 「自分でも実感しているんですが、周りからもすごく言われます。例えば、卒業した生駒ちゃん(生駒里奈)や、いくちゃん(生田絵梨花)、真夏(秋元真夏)とかから『最近、人間味が出てきたね』って(笑)。意外かもしれませんが、今までは『わたしは人からこう見られているから、こういう面は出しちゃいけない』とか、『人前ではこういう言葉を使った方がいい』とか、自分の勝手な判断で(ルールを)決めていたんです。でも、今になって、その判断が『間違っていた』と思うことが多くなってきて」と言葉をかみしめる。

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卒業は「タイミングが来たら考えるかも」

齋藤飛鳥

 それに気づかせてくれたのが、乃木坂46だと齋藤はいう。「自分の間違いに気づいてからは、『見せちゃいけない』と思っていた部分もだんだん出すようになって、それによって自分も変化し、人に見られることも怖がらないようになった。それが、メンバーの目に『齋藤は変わった』というふうに映っていたと思うし、わたしを優しく受け止めてもくれた。だから、乃木坂にいなかったら、こういう変化はなかったと思う」と感慨深い表情を見せた。

 本作では、西野の卒業を軸にメンバーの苦悩や葛藤、成長が描かれているが、同期の齋藤は「卒業を決断できること自体がすごいこと。素直にかっこいいなって思いました。わたしには将来の目標が全くなくて、今後も出てこないような気がします。どちらかというと流れに身を任せるタイプなので、なんとなく『今かな?』というタイミングが来たら考えるかも」。齋藤飛鳥、20歳。乃木坂46にはまだまだ彼女のパワーが必要だ。(取材・文:坂田正樹)

映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』は7月5日より全国公開

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