ラミ・マレック『007』悪役を引き受けた条件
映画『007』シリーズ最新作『ボンド25(原題)』で悪役を務めるラミ・マレックが、出演を引き受ける前に、メガホンを取るキャリー・フクナガ監督と交わした、ある取り決めを Mirror Online など各メディアで語っている。
「危険なテクノロジーで武装した、謎の悪役」ということ以外は明かされていない悪役について、ラミは「素晴らしいキャラクターで、(演じるのが)心から楽しみなんだ」と説明。一方で、『007』シリーズだからといってすぐさまオファーに飛びついたわけではなく、フクナガ監督に確認したことがあったという。
「キャリーに言ったんだ、“この役を、特定の宗教やイデオロギーを反映したテロ行為をする人間にはしたくない。そういったことを僕は楽しめない。もし、そうした理由で僕が候補になったのなら、数に入れないでくれ”って。でも監督には、明確に違うビジョンがあった。この役は、これまでとは違うタイプのテロリストになっているよ」
『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ役でアカデミー賞主演男優賞を受賞した際、ラミは、自分がエジプト移民の息子であることにふれ「アイデンティティに悩み、自分の声を見つけようとしている全ての人へ。聞いてください。僕たちは、悪びれることなく彼自身として人生を生きた、移民で、ゲイの男性についての映画を作りました。僕が今夜皆さんと一緒に、彼とその物語を祝福しているという事実は、こうした物語を僕たちが切望しているということの証しです」と感動的なスピーチで喝采を集めた。そんな彼だけに、固定概念にしばられたテロリストを演じるわけにはいかないと考えていたようだ。
多くの人々に愛され続けているジェームズ・ボンドとの対決に、重圧を感じているというラミだが、素晴らしい脚本に満足している様子だ。ボンドを演じるのは、これが最後と言われているダニエル・クレイグ。そのほか、Q役のベン・ウィショー、マネーペニー役のナオミ・ハリス、M役のレイフ・ファインズらおなじみのメンバーが続投。また、ボンドガールとして、前作『007 スペクター』にも出演したレア・セドゥ、さらに『ブレードランナー 2049』のアナ・デ・アルマスが参加する。(編集部・入倉功一)
映画『ボンド25(原題)』は2020年公開予定