一番カッコいい藤原竜也を!『Diner ダイナー』蜷川実花のこだわり
俳優の藤原竜也が公開中の映画『Diner ダイナー』で、元殺し屋の天才シェフ“ボンベロ”を演じている。「一番カッコいい藤原竜也をわたしが撮らなければいけない!」と撮影に臨んだ蜷川実花監督が、そのこだわりを語った。
本作は『ヘルタースケルター』などの蜷川監督が初の男性主人公に挑み、父・蜷川幸雄さんの愛弟子といえる藤原と初タッグを組んだサスペンス・エンターテインメント。“殺し屋専用”のダイナーを舞台に、元殺し屋の店主ボンベロ(藤原)と、ダイナーを訪れる凶悪な殺し屋たちの異様な世界を描き出す。
「ボンベロという役はすごく難しい役なので、それをどうやってビジュアル化するかというのが一番気を使ったというか、力を注いだところです。竜也は演じているときはもちろんカッコいいし、人としてもカッコいい。だけど、竜也の芝居の上手さや人間力を抜きに、ビジュアルだけでも圧倒的にカッコいい! と思わせるためには、どうしたらいいかというのは悩みながらみんなで考えました」と蜷川監督。
出来上がったビジュアルについては「とにかく、カッコよかったです。シェフの衣装をどういうふうにするかを考えたときに、袴(はかま)みたいにするのは? というアイデアが出て。袴をベースにしたからか、日本人のカッコよさみたいなものがしっかり出ていて、竜也のビジュアルやキャラクターにうまくハマったんじゃないかなと思います」と手ごたえがあったようだ。
一方、藤原本人も「何でもありで、何でも成立させられるキャラクター。僕としては気持ちのいいキャラクターに仕上がったと思います」と明かし、「本作ではクランクインの前から、自分の主張や考えは持ちつつ、己を解放して実花さんと向き合おうと決めて撮影に臨みました。細かいアドバイスを取り入れていくうちに、自然とこのボンベロというキャラクターを作り上げていけたと思います」と蜷川との初タッグを述懐。
さらに窪田正孝、本郷奏多、武田真治、斎藤工、佐藤江梨子、金子ノブアキ、小栗旬、土屋アンナ、真矢ミキ、奥田瑛二ら豪華キャストが演じる“殺し屋”たちはみな強烈なキャラクターで、「その中に入るとボンベロは普通のキャラクターにも見えてしまうんです」と藤原。「ただ役柄を自由に表現しても、成立させてしまうようなパワーがボンベロにはある。人間的な感情ももちろんあるし、何かそういうものを超越してしまった要素も持ち合わせている。不思議なキャラクターです」と自身の役柄について語った。(編集部・中山雄一朗)
映画『Diner ダイナー』は全国公開中