濱田岳&水川あさみが倦怠期の夫婦に 足立紳監督『喜劇 愛妻物語』来年公開
俳優の濱田岳が、『百円の恋』『嘘八百』などの脚本家として知られる足立紳の監督作『喜劇 愛妻物語』で主演を務める。足立が自身の体験に基づいてつづった小説「乳房に蚊」(幻冬舎刊)を自ら映画化するもので、結婚10年目の倦怠期の夫婦を描く。濱田は主人公の売れない脚本家にふんし、妻役は水川あさみ。新海誠監督の娘で人気子役の新津ちせが娘を演じる。2020年公開予定。
本作は、今や無職同然の脚本家・豪太(濱田)が、妻のチカ(水川)と娘アキ(新津)を伴って香川へ取材旅行に出る物語。ある日、映画プロデューサーから、かねてから豪太が考えていた四国に実在する「ものすごい速さでうどんを打つ女子高生」の話を脚本にしてみないかとの提案があり、豪太はこのチャンスを物にすべく、その女子高生が暮らす香川県へ。しかし、いざ到着してみると、その企画はすでに別の者たちの手によって映画化されることが決定しており、豪太らは早々に目的を失ったまま4泊5日の旅を続けることに……。
濱田と水川は、2009年の映画『今度は愛妻家』で共演。娘アキ役の新津は、映画『3月のライオン』などで子役として活躍し、主演映画『駅までの道をおしえて』の公開を10月に控える。
監督の足立は、映画化に以下のようにコメントを寄せている。(編集部・石井百合子)
足立紳(原作・監督・脚本)コメント
10年前、仕事がまったくなく卑屈になりまくっていた自分に妻が「1年以内に結果を出せ」と言ってきました。結果が何を指しているのか恐ろしくて聞けなかった僕は、とりあえずスーパー主夫を目指してがむしゃらに主夫業に邁進したのですが、妻は「主夫業を今と同じくらいこなした上で仕事の結果を出せ」と言いました。一瞬殺意を抱きましたが、その妻が香川県で映画を作るチャンスを得られる脚本賞の情報をゲットしてきたのが7年ほど前かと思います。妻とまだ幼かった娘と3人でネタ探しのために青春18切符で香川へと赴きました。が、ひたすらうどんを食べ、夫婦喧嘩をし、映画のネタなど見つけられもせず、太って帰ってきただけでした。そんな犬も食わないような体験をもとに書いたシナリオが、時を経て濱田岳さんと水川あさみさんという僕にとって最高に魅力的なお二人に演じていただけることで、犬も食わないをはるか超えて僕が食べもの中で一番好きなスイカに化けてくれたような気持ちです。精一杯頑張って面白い映画を作りたいです。