大谷育江、チョッパーはお医者さん 役へのブレない軸を語る!
今年はテレビアニメ放送開始から20周年を迎え、メモリアルイヤーに公開となる『劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』』(8月9日公開)。サクラ王国(旧ドラム王国)で麦わらの一味としての旅を開始した船医トニートニー・チョッパーの声を担っている大谷育江が「ONE PIECE」への思いを語った。
チョッパー、ロビン、フランキー、ブルックのインタビュー【動画】
海賊王(ゴール・D・ロジャー)が遺したお宝をかけて世界中の海賊たちが集う祭典・海賊万博が舞台の本作。ファンにはたまらないキャラクターたちが多数登場する。大谷は「台本を読み進めていくうちに『えーこの人も出てくるの!』みたいな往年のスターがバンバン登場するんです」と興奮気味に語ると「チョッパーが登場する前のキャラクターも出てくる。まるで歌舞伎の真打が次々と出てきて勢ぞろいするみたい」と豪華さを表現した。
なかでもこれまで物語で絡んだことがない組み合わせに心躍らされたという大谷。「例えば(ボア・)ハンコックとバギー。二人が会話をしているところを見たことがなかったのですが、今回は対峙するシーンがあります。この組み合わせはバギーにとっては悲惨ですよね。まあ、そこがたまらなく面白いのですが……」と満面の笑みを浮かべる。
またチョッパーと言えば、ウソップとのコンビがファンの間でも人気。「チョッパーが介抱するシーンが結構出てくるなど、今回は船医としての活躍が結構描かれています。ウソップとの阿吽(あうん)の呼吸もお楽しみに」と期待を煽っていた。
アニメがスタートしてから20年という歳月が流れたが「作品と出会ってからはアッという間だった気がします」と語ると「『ONE PIECE』の時間軸ってすごいですよね。ドレスローザ編は収録では2年半ぐらいを費やしましたが、実際は1日ぐらいの話なんですから。それを思うと、彼らは本当に濃い時間を生きているんだなと実感します。なので20年と聞くと長い年月のように感じますが、本当にアッという間なんです」とキャラクターに寄り添って感慨深い表情を浮かべていた。
そのドレスローザでのドンキホーテ・ドフラミンゴとの戦いの時期、チョッパーは2年半ほど、作品から遠ざかっていた。大谷は「ブランクというのはあまり感じないのですが、久しぶりに役に入ると、そのキャラクターの感情を忘れてしまうんですよね」と説明する。
声自体は染みついているものであるため少し発声をすれば勘はすぐ取り戻すというが、キャラクターがどう感じるかというのはブランクがあると戻ってくるまでに時間がかかるというのだ。「具体的に言うと、なにか嬉しいことがあったとき、喜び方ってそれぞれ違うと思うんです。飛びあがって喜ぶ人もいれば、ニヤリと笑う人もいる。その感情的な部分が『チョッパーってどうやって喜ぶんだっけ』と思い出すまで、少し時間がかかるんです」
大谷は「チョッパーは基本的にお医者さん」と語ると「みんなが怪我をしたときなどに『どれだけ親身になるか』。そこは意識しています」とチョッパーとして大切にしている肝の部分を明かした。(取材・文:磯部正和)