ディズニーの『デッドプール』R指定じゃなくてもイケる?監督が言及
米20世紀フォックスがR指定を前提に製作・公開し、大ヒットを記録した『デッドプール』は、ディズニーによる21世紀フォックスの買収によって、ファミリー向けに制限を下げた内容になるのか、本国メディアでも度々報じられている話題について、『デッドプール2』を手掛けたデヴィッド・リーチ監督による見解を、Total Filmnなどで活動するジャーナリストのハンナ・フリントが Yahoo Movies UK で明かしている。
スクリーンの向こうの観客にまで話しかける破天荒な行動と、過激な暴力と下品なジョークを目玉に大ヒットを飛ばした『デッドプール』。数年前にフォックス買収の話題が持ち上がって以降、ディズニー傘下になれば、その過激さが失われるのではないかと、ファンの間で不安が広がっていた。
そんななか、新作『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』が公開を迎えたリーチ監督は、『デッドプール』の扱いについて「必ずしもR指定である必要はないし、ディズニーもPG-13指定の映画だけを作る必要もないだろう」と対象年齢を下げる選択肢にも言及。「僕らは、幸せな着地点を見つけられるはずだ」と語ったという。
さらにリーチ監督は、マーベル・スタジオも「デッドプールで何ができるのか」をまだ模索している段階なのではないかといい「僕が聞いている限り、交わされている議論の全てはポジティブなものだよ」と説明している。
『デッドプール』シリーズをめぐっては、今年の2月に、ウォルト・ディズニー・カンパニーの会長兼CEOであるボブ・アイガーが、投資家向けの収支報告で、フォックス買収後もシリーズをR指定で作り続けると宣言したことをVarietyが報じた。同時に「(R指定映画に関する)ブランディングは慎重に行い、消費者を絶対に混乱させないようにします」と、これまでのディズニー/マーベルブランドとは別物にする可能性も示唆したとされており、デッドプールがMCUに参戦するには、やはり年齢制限は一つのポイントとなることは間違いない。
マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは、先月開催された「コミコン・インターナショナル2019」内で、フォックスが所有していた、ファンタスティック・フォーとX-MENのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)参加を示唆したが、デッドプールについては特に言及しなかった。MCUはすでに2021年までのフェーズ4作品が発表されており、『デッドプール』の行き先がはっきりするのは、まだ先になりそうだ。(編集部・入倉功一)