一家皆殺しの噂…オダギリジョー監督作『ある船頭の話』予告編で衝撃の展開
俳優のオダギリジョーが初めて長編映画のメガホンをとった『ある船頭の話』(9月13日公開)の予告編が公開。柄本明演じる船頭の日常を捉えた静寂に包まれた特報から一転、予告編では殺人を思わせる不穏な映像が挿入されている。
撮影監督に名カメラマンのクリストファー・ドイル、衣装デザインに黒澤明監督作『乱』でアカデミー賞を受賞したワダエミ、音楽にアルメニアの世界的ジャズピアニスト、ティグラン・ハマシアンと豪華布陣が集結。第76回ベネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門(革新性や探求心、オリジナリティー、インディペンデント精神などに優れたハイクオリティーな作品を紹介することを目的とした部門)への出品が決定した本作。時代の変化が押し寄せる山奥の村を舞台に、船頭のトイチ(柄本)が、一人の少女(川島鈴遥)との出会いを機に運命の歯車を狂わせていく。
予告編では、「橋の建設」を巡るトイチと渡し舟の客たちの会話に始まり、やがて「一家皆殺し」の噂が聞こえてくると共に、一人の少女が出現。トイチの元に足しげく通う村人・源三(村上虹郎)の「あの橋出来上がるまでにぶっ壊さねえか?」の声がこだまするなか、刃物を手にした手などが映し出され不穏なムードが立ち込めてくる。
途中、トイチの「風が吹けば舟は流される。世の中も少しの風で変わってしまう」という意味深な言葉もあり、彼に何かが起きる予兆を示しているかのようなサスペンスフルな映像となっている。(編集部・石井百合子)