柄本佑&瀧内公美、ラブシーンの撮影裏話を明かす
柄本佑と瀧内公美が24日、新宿武蔵野館で行われた映画『火口のふたり』公開記念舞台あいさつに荒井晴彦監督と共に出席。全編2人だけで繰り広げられる物語を成立させた“演技力”を絶賛された。また、劇中で描かれるラブシーンの撮影裏話も明かされた。
本作は、直木賞作家・白石一文の同名小説を、日本を代表する脚本家である荒井晴彦がメガホンを取り映画化したもの。かつての恋人・直子(瀧内)の結婚式に出席するために帰省した賢治(柄本)が、久々に再会した直子と愛におぼれていくさまを描く。
本能のままに求め合う男女を演じた柄本と瀧内。劇中ではラブシーンも多く描かれるが、柄本は「台本にこと細かく動作が書かれているので、動きを覚えるのが大変だった」と苦笑いを浮かべると、瀧内も「アクションシーンを演じているようだった」と撮影を振り返った。
また、瀧内は濃厚なラブシーンに、心を向かっていかせるために、撮影の順番を、物語の流れの通り順撮りにしてもらうことをお願いしたことを明かすと、柄本は「そうだったんだ!」と裏話に驚きつつも「瀧内さんがとても男らしく『どうぞ!』という感じだったので、こちらも構えずにすみました。居住まいが格好良い女優さんでした」と絶賛していた。
荒井監督は「昨日初日で吉祥寺の映画館に観に行ったのですが、20人ぐらいしかいなかった」とやや自虐的に笑い飛ばすと「2人しかキャストが出ない作品は実験的とは言われていますが、単純に予算がないんです」とぶっちゃけ。それでも青山真治監督から「傑作です。佑がいれば100人力かよ」というメールをもらったことを明かすと「柄本佑と瀧内公美で200人力です」と2人の芝居に賞賛をおくっていた。
「あこがれの荒井脚本、そして監督作品に出ることができました」と柄本は感慨深い表情で語ると、瀧内も「2人しか出ていない作品で、これだけ人間の三大欲求が映し出されているものはないと思います」と映画の出来に胸を張っていた。(磯部正和)