西島秀俊、“親分”西田敏行から教えを受ける「セリフは食べろ」
映画『任侠学園』の完成披露試写会が26日に都内で行われ、ともに主演を務めた西田敏行から役者としての教えを受けたことを西島秀俊が明かした。この日は2人とともに、共演者の伊藤淳史、葵わかな、葉山奨之、桜井日奈子、生瀬勝久、木村ひさし監督も登壇した。
今野敏の人気小説「任侠」シリーズの一作をもとにした本作は、社会奉仕がモットーの地元密着型任侠団体“阿岐本組”が義理と人情を武器に、経営不振に陥った高校の再建に挑む姿を描く物語。
不器用で親分に毎回振り回される組のナンバー2の日村を演じた西島は、自身の役どころについて「普通のヤクザではなくて、義理と人情に厚い真面目なヤクザ。だから(自分が)キャスティングされたのかなって」と照れくさそうに語る。そんな西島ふんする日村の親分を西田が演じており、撮影中には西田と何度か食事に行き、さまざまなことを教えてもらったことを明かした。
西島は「西田さんからは、セリフは頭で考えるのでなく、食べろと言われたんです。なるほどな、と。そばにいた若い連中も納得して、深く噛みしめていました」と語る。すると西田は嬉しそうな表情で「実は私の先輩である丹波哲郎さんに言われたことをスライドして教えただけなんです。丹波さんは食べたと思えば、覚えられなかったセリフが不思議なくらい頭に入ったと言っていたんです」と紹介した。
また、阿岐本組が理事となって再建を図る高校の問題児の一人を演じた葵は、自身のイメージを覆すような役で新境地に挑戦したそうで「すごくやんちゃな役で、私自身は優等生タイプでスカートも短くしたことがないので、真逆の役でした。共感できることが一つもなかった」と笑う。「いかにおじさんっぽく喋るかが勝負所でした。でもまわりにはおじさんの先輩がたくさんいたので、いろいろと教えてもらいながら、いいおじさんになろうと思っていました」と笑顔で撮影を振り返った。(取材・文:名鹿祥史)
映画『任侠学園』は9月27日より公開