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オダギリジョー『ある船頭の話』ベネチアで喝采!柄本明、村上虹郎とともにスタンディングオベーション受ける

第76回ベネチア国際映画祭

観客のスタンディングオベーションを受ける3人
観客のスタンディングオベーションを受ける3人

 第76回ベネチア国際映画祭の「ベニス・デイズ」部門に出品されているオダギリジョー監督の映画『ある船頭の話』の公式上映が5日(現地時間)に行われ、ベネチアの観客から喝采を浴びた。オダギリ監督のほかに出演者の柄本明村上虹郎も参加し、集まった人たちからのスタンディングオベーションに笑顔で応えた。

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 入場開始時刻の前、上映会場の Sala Pelra の前には建物の外まで伸びる長い列ができていた。観客が席に着き上映が始まる前にMCに招き入れられるかたちでオダギリ監督、柄本、村上らが一人ずつ登場すると、温かい拍手で迎えられた。上映終了後には観客は立ち上がって拍手を送り、その拍手はエンドロールが始まってからオダギリ監督、柄本、村上の3人がステージに上がるまで鳴り止まなかった。

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 登壇した3人に対しての質問を現地の観客から受け付けるQ&Aコーナーも実施された。英題が『ゼイ・セイ・ナッシング・ステイズ・ザ・セイム / They Say Nothing Stays the Same』である本作のラストに関する解釈について意見が出ると、オダギリ監督は「そう受け取ってもらえたことは(自分では)考えたこともなかったので、その意見を聞けてすごく面白いです。いろんな意見が出る映画であってほしいと思っていたので、とてもありがたいです」と感謝した。

ある船頭の話

 Q&Aではほかにも『羅生門』が金獅子賞に輝いたベネチア映画祭らしい質問「黒澤明の影響はこの映画にあるのか?」があり、オダギリ監督は「黒澤明監督は尊敬する監督の一人ですが、今考えると溝口健二監督の『雨月物語』の方が映画のテーマや描きたいことに似ています。(『雨月物語』が銀獅子賞を受賞していることから)この映画(『ある船頭の話』)もベネチアに選んでいただいていて、不思議な縁を感じる作品です」と回答した。観客からは「今回の映画祭でたくさんの映画を観ましたが、この作品が最も美しく詩的で卓越した映画でした」という声も上がっていた。

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 公式上映後には日本メディア向けの囲み取材会も行われ、オダギリ監督、柄本、村上が参加。オダギリ監督は「温かい拍手があんなに長い時間続いたのが本当に嬉しかったです。みなさんの顔がとても満足されているように見えました」とコメント。俳優ではなく監督として参加したことについては「人が動く度に気になりました。俳優として観ているよりも“気の散り方”がまったく違いました。戻って来た人が嬉しかったです。『あっトイレだったんだ』って。それはすごく助けられました」と笑顔で振り返った。主演の柄本は「試写で観て今日が2回目なのですが(前回と感じ方が)なにか違いましたね。なんだろう。監督の志の高さをものすごく感じた映画でした」と語った。

 「(Q&Aで登壇してステージ上から)イタリアの映画好きの方々が『ここはあれでしょ』と話し合っているのを見て、映画熱が高くていいなと思った」という村上が、どのシーンかの明言は避けつつ「現場では言わずにアフレコでセリフを入れた部分がいくつかあるのですが、『ここは面白いな。オダギリさんっぽいな』と思ったり、『ここは……ちょっとよくわかんないな(笑)』と思った箇所がありました」と笑うと、オダギリ監督も笑いながら「わかるわかる。あそこでしょ」と返すなどベネチア映画祭を心から楽しんでいる様子だった。『ある船頭の話』は9月13日に公開される。(編集部・海江田宗)

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