伝説の監督ヤスミン・アフマドが紡ぐ切ない恋 劇場初公開『細い目』予告編
2009年7月25日に51歳の若さで亡くなったマレーシアの伝説的女性監督ヤスミン・アフマドによる2004年の映画『細い目』の日本版予告編が公開。マレー系少女と中国系少年という民族、宗教の異なる男女が恋に落ちていく様子が収められている。
2003年に映画監督デビューし、活動期間6年の間で6本の長編映画を残し、国内外で高い評価を受けるアフマド監督。今年7月から8月にかけて特集上映も組まれた。『細い目』は、実妹と同じ名前で自身を投影した女性オーキッドを主人公にした3部作の第1作で、2004年マレーシア・アカデミー賞で最優秀監督賞ほか6部門で受賞し、第18回東京国際映画祭で最優秀アジア映画賞に輝いた。今年、アフマド監督没後10周年を記念し、初めて劇場公開される。
予告編では、金城武が大好きなマレー系少女オーキッドと、露店で海賊版の香港映画のVCDを売る中国系の少年ジェイソンの恋模様が、緑豊かな映像美の中に映し出される。少年が母親に詩を読む冒頭シーンの、「不思議ね。文化も言葉も違うのに、心の中が伝わってくる」という母の言葉は、多民族国家マレーシアならではの背景をうかがわせる。
ヒロインのオーキッドを演じるのは、オムニバス映画『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』の行定勲監督作「鳩 Pigeon」にも出演したシャリファ・アマニ。(編集部・石井百合子)
映画『細い目』は10月11日よりアップリンク吉祥寺、アップリンク渋谷ほか全国順次公開