ブラッド・ピット、自分でもびっくり!プロデューサーとしての成功
最新作『アド・アストラ』をひっさげて今月12日に来日したブラッド・ピット。自身の立ち上げた映画製作会社プランBがヒット作を数多く輩出し、プロデューサーとして成功していることに「自分でも驚いている」と明かした。
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宇宙を舞台にした本作は、宇宙飛行士のロイ(ブラッド)が、太陽系の彼方で消息を絶った父親クリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)を探すさまを壮大に描く。主人公のロイを演じるブラッドは、今作のプロデューサーも務めている。
50歳を超え、ブラッドはなぜいまSF映画に挑んだのか。「SF映画はこれまでにすばらしい作品がたくさんあった。だからこそ、なにか違う新しいものを付け加えることができなければ映画を作る意味はなかった。でも、監督のジェームズ・グレイは、面白いアイデアをたくさん持っていた」とグレイ監督の脚本やアイデアには、ほかのSF映画にない魅力があったと語る。
本作では、果てしない孤独との戦いなど、宇宙での現実的な問題が描かれる。劇中、父親を一人で追うロイが精神的に追い詰められていく場面では、孤独がより強調されている。「だいたいSFものっていうのは、宇宙人が出てきて。いい宇宙人だったり、敵だったり……。でも、『宇宙に地球外生命体が一切いなかったらどうする』と監督は我々に投げかけている。もし宇宙に僕たちしかいない場合、ベストを尽くして生きているのか」とリアリティーを追求していったという。
プランBが手掛ける本作。プランBといえば、『グローリー/明日への行進』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『ムーンライト』など賞レースを席巻し、商業的にも成功している作品が多い。『それでも夜は明ける』では、ブラッドはプロデューサーとして第86回アカデミー賞作品賞を受賞したことも。この結果を想定していたのかどうか聞かれると、「計画していたわけではなかった(笑)。僕もびっくりしている。ほかのみんなと同じように」と謙遜した。
これまで俳優、プロデューサーとして第一線で活躍してきたブラッドは、「やっぱり映画はストーリーテリングが大切。そして、物語を語る情熱も必要となる」と分析。現在ではネット配信作品なども増えてきたことで、映画の形は変化していることを前置きしつつ、「低予算だからこそできる作品、その逆でテントポール(超大作)で巨額の製作費がかけられた作品にしか語ることのできない物語がある。でも、その間を取ったような、作家性の強い作品が(世の中に)なかなか出なかった」と真剣なまなざしで答える。
そんな作家性が強い作品に注目していたブラッド。プロデューサーという立場で、多数の作品を輩出してきた。彼らの作品が評価され、ヒットが続いていることは「ラッキーだった」と話し、映画に関わる人たちへの深い愛を見せていた。(編集部・梅山富美子)
映画『アド・アストラ』は公開中