横浜流星が愛されるワケ!『いなくなれ、群青』柳明菜監督が明かす魅力
今年、ドラマ「初めて恋をした日に読む話」や「あなたの番です-反撃編-」で一躍ブレイクを果たした俳優の横浜流星。女性誌「anan」で表紙を飾った際には、発売日前に全ネット書店で販売予定数が完売するという異例の事態が起こるほど熱い視線が注がれているが、横浜がこれほどまでに人々を惹きつける理由は一体どこにあるのか。現在公開中の主演映画『いなくなれ、群青』でメガホンを取った柳明菜監督が、その魅力について明かした。
シリーズ累計100万部突破の河野裕の同名小説を実写化した『いなくなれ、群青』は、捨てられた人がやってくる階段島の謎を解き明かそうとする主人公たちの姿を描く青春ファンタジー。中学時代は極真空手に打ち込み、国際青少年空手道選手権大会13・14歳男子55kgの部で世界一になるなど、肉体派なイメージのある横浜だが、今作では主人公・七草役を務め、悲観的で繊細な役どころを丁寧に演じきった。
柳監督は会う前から横浜に七草の繊細さを感じていたそうで、「課題としては、悲観的で難しいセリフが多いので、その辺りが繊細さと相まって冷酷に見えたり、人間味が薄れたりすることを懸念していました。でもそれは、横浜さんにお会いした瞬間に解消されたのを覚えています」と振り返る。
さらに、「繊細さやクールな佇まいに加え、心の優しさ、無邪気さ、愛らしさが滲み出る横浜さんは、七草に必要な要素を全て兼ね備えていると確信しました」と絶賛の言葉を惜しまない。
なによりも、一番の魅力は「横浜さん自身の人柄」だという。「優しさや人懐っこさを持っている反面、少しイタズラっぽい所、どこか掴めない所もありますよね。それは、役関係なく、横浜さん自身から代わる代わる飛び出してくる魅力で、みんなに愛される理由でもあると思います」。そんな万華鏡のような魅力に加えて、柳監督はその根っこにある真摯(しんし)さにも言及した。「基盤はものすごい努力家で真面目、謙虚で思慮深い方だと思います。その全てが交わって、確実な演技力を発揮して、ブレイクするべくしてブレイクしたと思います」
撮影現場では、スタッフみんなが口をそろえて横浜のことを「好青年」と話していたそう。一方で、声をかけるのをためらうほど役に没入する横浜の姿もあったといい、柳監督はその時のことを次のように振り返る。
「自然体という反面、七草の面影が常にあって、声をかけて良いのか迷う時も多々ありました。横浜さんの中で常に空気や感情を作り込んでいるのを感じました。それが伝わってきたので、本当に必要な時以外、なるべく何も言わないという演出を心がけました。でも、そんな横浜さんの空気も関係なく話しかける(ヒロイン・真辺役の)飯豊(まりえ)さんがいて、その天真爛漫さに微笑んで対応する横浜さんがいて、それがまた、七草と真辺の関係をより強固なものにしていったように感じました」
柳監督が明かした横浜の真面目さは、先日行われた自身のカレンダー発売記念イベントでも垣間見えた。大ブレイク後、周囲の環境は変わっても「僕自身はまったく変わっていない」といい、「自分らしくひたむきに芝居に向き合い、作品や人との出会いを大切に、一生懸命一歩一歩前に進んでいければ」と冷静に現在地を見つめていた横浜。10月に放送スタートとなるTBS系ドラマ「4分間のマリーゴールド」への出演も注目を浴びており、まだまだその飛躍は続いていきそうだ。(編集部・吉田唯)