『天気の子』邦画初のインドプレミア!新海誠監督も現地入りしファン熱狂
現地時間27日、インド・ニューデリーで映画『天気の子』のインドプレミア上映が実施されて新海誠監督が出席。舞台挨拶に登場した新海監督は現地の人たちからの喝采と歓迎の拍手で迎えられた。同作は10月11日からインドの全国30都市で一般上映されることが決まっている。一般公開にあわせて日本映画がインドでプレミアを実施するのは史上初めて。
過去にインドで一般公開された日本の映画は『万引き家族』と『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』の2作品のみ(現地配給Vkaao調べ)。新海監督の前作『君の名は。』がインド国内で人気を博し、今年2月に『天気の子』のインド公開を求める署名活動が起こって5万人を超える署名が集まり、公開が実現した。プレミア上映はニューデリーにある劇場「サケットセレクトシティウォークPVRcinema」が会場となり、10~20代を中心に、映画ファン、アニメファン、新海誠ファンで満席となった。
上映前の舞台あいさつで新海監督は「皆さんの署名活動のおかげでインドに来ることができて、心から幸せです。本当にありがとう」と感謝。「インドという日本からとても離れた国で、文化も異なり、様々な価値観を持つ皆さんに、『天気の子』をどんなふうに楽しんでいただけるのか、心から楽しみにして来ました。皆さんの心の中に、少しでもこの映画が何かを残すことができたら、とても幸せに思います。どうか映画を楽しんでください」とメッセージを送った。
本編上映中、インドの観客たちは手を叩きながら大声で笑い、隣の席の友人と肩を組み、泣き、腰を浮かし、腕を高く上げ大きな声援を送って楽しんだ。新海監督はインドプレミアの感想を「インドの観客の熱量に、本当に驚きました。国民性のようなものかもしれませんが、インドの観客は全力で『自分はとにかく楽しむんだ!』という非常に前のめりの姿勢で映画を観ているのが印象的でした」と語っている。
上映後には新海監督が再登壇してQ&Aのコーナーも行われた。「また新海監督の映画をインドで公開してほしい」と言われて、「次の新作が出せた時、またインドで僕の映画を上映できるかは皆さんにかかっています(笑)。日本のアニメーション映画がインドの方々にも面白いと思っていただけたのであれば、自然に劇場公開ができるようになっていくのかなと思っています」と答えた新海監督。「できれば3年後くらいにまたインドに帰って来て、皆さんに新しい映画を見せたいです。また再会しましょう!」とコメントした。
インドプレミアの翌日にインド公開を求める署名活動を始めた現地の男子高校生・パンチョーリくんと会った新海監督は「署名活動をしてくれて本当にありがとう!」と伝えた。『君の名は。』を観て人生が変わり、たくさんの人に新海作品を観てほしくて署名活動を開始したというパンチョーリくんは「僕もいつか東京へ行って新海作品で何度も見ている場所を巡ってみたいです。インドでは、今後ますますアニメーション映画が人気になると思います」と話した。
『天気の子』は東京に一人でやってきた家出少年の主人公・帆高(声:醍醐虎汰朗)と祈ることで天気を晴れにすることができるヒロイン・陽菜(声:森七菜)の2人を軸にした物語。日本では7月19日に公開され、9月23日までに観客動員982万6,766人、興行収入130億7,370万6,100円を記録している(数字は配給調べ)。(編集部・海江田宗)