「結婚できない男」続編がスタート!前作を振り返り!
2006年の7月~9月にかけて放送され、阿部寛主演で人気を博した連続ドラマ「結婚できない男」(カンテレ/フジテレビ系)が「まだ結婚できない男」として13年ぶりに復活。新シリーズが始まるのを機に、前作の魅力を振り返ってみたい。
桑野が帰ってくる!「まだ結婚できない男」今日もひとり篇+指揮篇【動画】
前作「結婚できない男」は、腕は一流だが、偏屈で独善的で皮肉屋の建築家・桑野信介が一人の女性との出会いをきっかけに恋愛を意識し、結婚を真摯(しんし)に考えるまでの日常をコミカルに描いた物語。各話には「一人好きで悪いか」「好きな物食べて悪いか」「犬がキライで悪いか!」など、桑野の偏屈ぶりが伝わってくるサブタイトルが付けられていた。
ルックスも収入も悪くなく、有能な建築家である桑野。しかしながら、人付き合いに難のある性格が原因で、ときに商談のトラブルなども引き起こしてしまうことも。そして、恋愛や結婚に対しては強い嫌悪感を抱いており、40歳になるまで高級マンションでの独身生活を謳歌していた。そのひねくれた言動や独自のセリフまわしは、阿部の真骨頂とも思えるほど。
絵に描いたような“結婚できない男”の桑野。家事や料理なども完璧にこなし、好きなことを好きなように楽しむ姿が見どころとなっていた。掃除を欠かさずゴミ一つない部屋を維持し、愛するクラシック音楽を大音量で楽しみ、観たいDVDをビデオショップでレンタル。そして一人で焼肉を堪能したり自宅で手巻き寿司を作ったり、はたまた人と食事をするときにはウンチクを垂れ流す……独自の美意識が貫かれている桑野の言動の数々。『男はつらいよ』が大好きで、はとバスツアーで寅さんゆかりの地をめぐるなど、さまざまな小ネタも桑野が愛される要因になっていた。
そんな長きにわたって作られた、こだわりのありすぎるルーティンで生きてきた桑野だったが、隣人OLの田村みちる(国仲涼子)や、大学時代の友人で妹の夫・中川(尾美としのり)が副院長を務める病院の早坂夏美(夏川結衣)たちとの出会いを経て、少しずつ変化していくことに。独自の論理とヘリクツで「結婚は不必要」と理論武装していた桑野が、少しずつ変わっていく姿に視聴者は大きく心を揺さぶられた。夏美との“遅れてきた”恋の模様や、毒舌を交えたやりとりも笑いと涙を誘った。
さらに、みちるや夏美のほか、桑野のまわりを彩る面々も愛すべき人物が多い。信介の事務所の助手・村上英治(塚本高史)、住宅プロデュース会社の沢崎摩耶(高島礼子)、桑野と同じ建築家で女好きの金田裕之(高知東生)たちも、桑野のことを意外と憎めず、ほっておけない様子。そして、みちるが飼っていたパグ犬のケンちゃんも重要な存在だ。犬嫌いを公言していた桑野と築いていく“友情”の行方には、恋愛と同じく徐々に変化していく桑野の気持ちが表現されていた。
待望の新ドラマ「まだ結婚できない男」は、この前作から13年後が舞台。53歳となった桑野は、以前と同じマンションに暮らし、スマートスピーカーといった最新機器に囲まれ独身生活を相変わらず謳歌中。夏美とは交際まで発展したものの破局し、再び恋愛モードから遠のいた桑野だが、弁護士のまどか(吉田羊)や、隣人の早紀(深川麻衣)、カフェ店長の有希江(稲森いずみ)との出会いによって、生活を再び変化させていく。らしさ満点の阿部の演技をはじめ、どのような人間模様が展開するのか期待が高まる。(編集部・大内啓輔)
ドラマ「まだ結婚できない男」は10月8日よりカンテレ/フジテレビ系で放送開始(毎週火曜・よる9時~、初回15分拡大)