中井貴一に三船敏郎賞!牧野省三賞は故・津川雅彦さんへ
「京都国際映画祭2019」が17日に開幕し、世界文化遺産としても知られる京都の西本願寺でオープニングセレモニーが行われた。セレモニー内では、毎年国際的な活躍が期待される俳優に表彰される「三船敏郎賞」の発表が行われ、今年は俳優の中井貴一さんが受賞。「もうすぐ60歳になるのですが、これまででがむしゃらに世界で走ってきました。この歳になってこのような賞をいただけるのは、ここからもう一度頑張れよと言われているような気がします。先輩の名前がついた賞ですからしっかりやれと言われている気がします」と顔をほころばせた。
また、「日本映画の父」と呼ばれる牧野省三さんの名を冠し、日本映画界の発展に寄与した映画人に贈られる「牧野省三賞」は、牧野さんの孫で昨年8月に亡くなった津川雅彦さんが受賞。この日は、娘の真由子さんが代理でトロフィーを受け取り、「今日は父の墓参りで、受賞を報告してきました。祖父の90回忌であるこの年に受賞ができてとても嬉しいです」と語った。
今年の映画祭アンバサダーを務めるのは、樹木希林さんがプロデュースした映画『エリカ38』で白熱の演技を見せた浅田美代子さん。プロデューサーの奥山和由さんに「昨年(のアンバサダー)は三田佳子さん、今年は遅咲き女優の浅田美代子です!」と冗談交じりに紹介されると「本当に恐縮です! きっと今頃、樹木さんも天国でアンバサダーですって!? って笑ってると思います」と顔を赤らめた。
この日はレッドカーペットも盛大に行われ、映画部門では、数々の映画祭で話題を呼んだ3本の短編による映画『RUN!-3films-』のキャストたちも、全員黒のスーツで登場。京都映画祭初参加で、『RUN!-3films-』では全ての作品に出演する俳優の津田寛治さんは「日本の伝統ある、格式高い場所での映画祭に初めてお邪魔して、ドキドキしています」と笑顔で喜びを語った。
今回の映画祭では「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに掲げ、映画上映のほかにも、さまざまな企画が催される。カーペットには、大日本プロレスの関本大介さんなど多彩なゲストが登場。スーツ姿の関本さんは、元淳風小学校を展示会場に、いじめや虐待問題をテーマにしたアートをプロレスラーが表現する「プロレスdeアート」をアピールしていた。
新旧さまざまな映画を上映するだけでなく、主催の吉本興業らしく、お笑いやアートの要素を取り入れた映画祭は、20日まで開催される。(森田真帆)