上田慎一郎監督の新作、アジア公開決定 涙流すキャストも
映画『カメラを止めるな!』で空前のヒットを記録した上田慎一郎監督の最新作『スペシャルアクターズ』の初日舞台あいさつが18日、都内で行われ、上田監督、キャストの総勢19名が登壇。香港、マカオ、タイ、中国本土などで海外での公開決定が発表されると、涙を流して喜ぶキャストの姿もあった。
本作は、1,500名以上のオーディションから選ばれた15人のキャストたちを迎えたオリジナルストーリー。ある秘密を持つ売れない役者が、カルト集団と闘う物語で、上田監督が脚本、編集に加え宣伝プロデューサーを兼任した。壇上には上田監督のほか、大澤数人、河野宏紀、富士たくや、北浦愛、上田耀介、清瀬やえこ、仁後亜由美、淡梨、三月達也、櫻井麻七、川口貴弘、南久松真奈、津上理奈、小川未祐、原野拓巳、広瀬圭祐、宮島三郎、山下一世が登場した。
上田監督は、息子も会場に駆け付けた初日舞台あいさつに感慨深げ。本作について「『カメ止め』の時は舞台あいさつを重ねて緊張も解けていったんですけど、今回はゼロからの作品。緊張します」とコメント。役者・清水役の清瀬は、壇上で「こんな舞台あいさつが一度してみたかった。撮影が終わってから映画みたいな毎日を見ています。これからもたくさん奇跡を起こしていきたい」と目を輝かせる。旅館の女将・津川役の津上は、普段は会社員であることを明かし「有休をとって今回の舞台あいさつに出席した」という。
上田監督は、そんな役者たちの作品完成後の成長ぶりにも触れ、「新宿ピカデリーでも(会場で手売りで)前売り500枚売れるかをやったりしたんですけど、大阪での舞台あいさつでも300枚手売りをやりました。ロビーで声を出して売るんですけど、東京では声が出ていなかった数人が結構声が出ていて、感動したりしました。みんなの成長を見れるのが嬉しい」と声を弾ませた。
また壇上で、本作が香港、マカオ、タイ、中国本土などでアジアでの公開が決定したことが発表されると、出演者たちは大喜び。カルト集団の幹部・七海役の櫻井は涙を流して感激し、上田監督に「全部連れて行ってください」と懇願する一幕も。上田監督は「『カメ止め』の時も海外の人が(応援や同作モチーフの)動画をたくさんアップしてくれたりして、海外にも届いているんだなと実感がわいて無茶苦茶嬉しかった。今回も同じようなことになれば」と期待を寄せる。
イベントでは鏡開きも行われ、役者・大野役の大澤は監督と仲良く参加。「この作品を通じて僕自身も成長できたと思います。みなさんが支えてくれた。本当に優しい人ばかり」と今日までを振り返ると、上田監督は「家が近いんです。息子のベビーシッターにも時々来てくれています」とこぼれ話をして会場を沸かせていた。(取材・文:名鹿祥史)